2018/08/11

根付 其ノ百弐拾壱

『 猫磨大師其ノ十 - 裸猫 - 』
素材:鹿角、黒水牛角



もう半年近く猫ばかり彫り続けております至水です

猫磨大師百態の行も遂に
と言うかやっと十態めに辿り着き
ある意味一区切りとなる猫磨大師様となります

今回モチーフにしましたのが
無毛猫と言えばでお馴染みの
「スフィンクス」

至水の従妹がスフィンクスを多頭飼いしておりまして
実際に触れ合って来たのですが
無毛の肌を撫でようと掌をあて
スッと滑らそうとするもピタッと動かない
肌の質感がしっとりとほの暖かい
触れた掌が吸い付く様な・・・

そう

膝の裏

もしくは

肘の裏

正にそんな感じの触感!

真冬の函館でストーブばんばん焚いている部屋の中
無毛な裸ん坊猫は猫用服を着込んでいるにも関わらず
とにかく「寒いんです」と擦り寄って来ます
ツンを忘れたデレ全開の愛い猫でした

でそんな無毛の裸猫を猫磨大師として彫りましょうと
皺深いお顔とか彫るの超楽しそうじゃないか♪
しかし事は順調に進みませんね
「根付」としてクリアしなければならない事案も出て来たりで・・・

でも彫るよね





鹿角です

お顔に皺テクスチャ入れ終わり
ヤシャ液バシャバシャして調子を見ているところです






六面図

今回スフィンクスをモチーフにする事で
と言うか実際にある猫種を表現する為の問題点
「根付」的に難儀な部分って

「耳」なのです

フェネックとまでは言いませんが結構バビッと両耳大きく主張が強い
猫磨大師化するにあたり出来るだけ大きく「あの耳」にして
尚且つ突起量を出来るだけ少なくする様に法衣に溶け込ませました






あぁ・・・
画像だと暗くて見えませんね(汗)

今回は底面紐穴の奥深く銘を刻んだ鹿角パーツを嵌めています
結構太めの髄管があり背面の紐穴との距離も近かった為
紐穴内面の滑沢化と孔埋めを兼ねての象嵌です






「三毛」で初めてやってみた
最近お気に入りの払子の流し方です
直立正対する意匠ならば払子を左右どちらかに配置するよりも
正面に位置させた方が収まりが良い感じ






しわっしわー♪
こーれは彫るの楽しかったですよ相当楽しかった
「血管」「皺」は彫ってて楽しい二大テクスチャです






サイズはこんなでやや長めに見える感
顔も締めてるし細身な印象になりました






紐を通すとこんな

底面紐穴が深いので結び玉を奥まで呑み込みますので
紐の交換には先細なプライヤーが必要ですね






色んな角度で裸ん坊♪

スフィンクスにしては目小さいし
猫の尻尾も毛が無いとこんなで
雰囲気「鼠かっ!」ってなりますけど
うちの奥様に公開したところ初見ノーヒントで
「スフィンクスだ!」
ってなりましたので大丈夫


しょう

・・・・・

いや問題無いっす!






法衣着てるのに裸猫とは此れ如何に
根付「猫磨大師其ノ十 - 裸猫 -」完成です



猫磨大師シリーズの猫って猫又で
しかし和猫ってのじゃなく
概念としてのネコ
「人寄りの猫面」
で彫って来たのですが
やはり百態彫る訳ですからね
今後実存する猫種をモチーフにする事も多々あると思うんです

でもホラ

至水は写実下手じゃない?

んー

それなりに・・・

がむばりますハイ(涙)



さぁ取り敢えず十態めと言う事で
なんか区切り良いんじゃないって思いません?

いや実は
此処から九月頭にGallery花影抄で開催されるグループ展に向けて
妖怪モノをばっこんばっこん彫らねばならなかったりで・・・

と言う訳で

猫磨大師百態の行
其の十にて一旦のお休みとさせて頂きます
(勝手ー!)


さぁ妖怪彫んぞー!


先ずはキジムナーからな




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