FREESTYLE NETSUKE DUNGEON
Episord1
"Castle of Flowe fell into the darkness"
Nezoonorasia 大陸に散在する数十の小国を傘下に従え
一代で Hanakage 王国を築き上げた
Lord of HANAKAGE "Shien Sui"
民の信頼と卓越した政治力で平穏な統治が続く
Hanakage 王国に建立された君主の城は
至る場所に植え込まれた花木が絶える事なく咲き乱れる城で
民から"Castle of Flower" と呼ばれ愛される
正に「平和の王国」の象徴であった
Nezoonorasia 統一から十年が経った頃
唐突に Shien Sui 王が謎の病による死を遂げた
三十年に渡る統一戦争の末期十年を
一国の王でありながら数万の兵を率い前線へと赴き
数々の武勲とともに Nezoonorasia 統一を成し得た大君主の最期
それは抗い様の無い奇病による何とも筆舌に尽くし難い無残な死姿であった
偉大なる王にして尊敬する父である Shien Sui の姿に
自らの未来を重ね見るたった一人の嫡男 Shi Sui 王子は
世襲により弱冠十八の歳で王の座に就く事となった
二代目 Lord of HANAKAGE となった Shi Sui だが
父の死に際を目の当たりにしたあの日から
漠然たる死への不安と恐怖に支配され始める
世襲による若輩な王の誕生は
傘下の周辺国に不穏な空気を漂わすまでに一年も要せず
Nezoonorasia 辺境で小規模な反乱が起き始めた頃
遥か西方より旅を続けて来たという流浪の隠者が王への接見を懇願してきた
名も告げぬ隠者が急いて言うには王の命はあと三年で終わりを遂げる
戦乱の末の死ではなく父君と同じ病でこの世を去る
これは占い予知予言の類ではなく
より高々度な未来視であると
その刹那
周囲の者に気取られぬ様内に秘め
日々堆積していた死への不安と恐怖が堰を切った様に怒りとなって噴流し
気付けば手にした従者の剣は地に塗れ
眼前に今正に事切れる寸前の隠者が手に差し伸べる一冊の書本
「これを・・・」
放心の Shi Sui 王が受け取ったそれは
呪われし禁忌の魔導書 "Necronomicon" の書本であった
その夜から Shi Sui 王の死への不安と恐怖は加速度的に膨張し
手にかけた隠者が毎夜夢枕に立ち余命の残り日を告げ
Necronomicon による不死術を体得せよと詰め寄る悪夢が毎夜続いた
程なくして二代目 Lord of HANAKAGE Shi Sui は忽然と姿を消し
それと同時に
統一戦争時代に籠城戦を想定し君主の城の地下に増建された
99フロアにも及ぶトラップだらけの地下迷宮の深部より
Shi Sui 王によると思しき不死術無限詠唱の声が
昼夜問わず終日漏れ聞こえるようになった
不明の Shi Sui 王の捜索と事の真相を究明すべく
地下迷宮に送り込まれた城兵達は誰一人戻る事はなかったが
名声と報酬を目当てに周辺国の歴戦の戦士や高名な魔導士
素性を偽りパーティーに紛れる盗賊達が地下迷宮に群がった
何より地下迷宮に隠し貯め込まれた王国の蓄財の噂には
命を顧みずエクスプロールさせる程の人心狂わす魅力があったのだ
・・・・・・・・・・
Shi Sui 王が姿を消し既に150年が経つ
隠者の未来視による Shi Sui 王の余命3年が
とうに過ぎている事を知る者等もう誰もいない
しかし今も地下迷宮深部より漏れ聞こえる無限詠唱の声は止む事はなく
冥府よりの邪気孕む不穏な空気に覆い尽くされた王国は荒廃し
邪気に引き寄せられた人外なる者達が跋扈する世界へと変貌していた
かつて「平和の王国」の象徴であり
"Castle of Flower" と呼ばれた君主の城は
見るも無残に枯れ果てた花木の影に覆われる暗き屍の城と化し
"Castle of Flower Shadow" と揶揄されながら今も尚
富と名声を渇望するエクスプローラー達を惹きつけて止まない
地下迷宮からの帰還者はまだいない
はー
やっばいやっばい超書いた(汗)
肝心の根付は至水の大好物幽霊の差し根付です
サクサク進めましょう♪
四面図
上下からの写真撮り忘れです(汗)
生きながらに死して死にながらに生きる
生死の境を超越した存在
Arch-Lich
それは不死に憑りつかれた Shi Sui 王の哀れな姿でもあり・・・
不死のモンスターの最上位種である "Lich" の中でも
最上級クラスの "Arch-Lich" です
呪われし禁忌の魔導書 "Necronomicon" による不死術の完全行使で
生身の人間から不死の躯への変成が可能になるのです
ドロドロと不定形に立ち上る姿の足元には
墓石を模した玉座が
裏面には
"RIP LORD OF HANAKAGE" と 生誕年の "1970" が見て取れますが
没年が弾け飛んでいます
これは Lich 化し不死の躯を手に入れ死を超越した瞬間を表していて・・・
因みに "1970" は至水の生誕年入れちゃった♪
サイズはこんな差し根付だから長くて大きいね
紐通しはトリッキーで
顔の下 ローブの首元が空洞になっていて
結び玉を収めるようになっており
紐は帯に引っ掛ける部分の根本内側から出る様になっています
引っ掛ける部分の裏側は縦に溝がつけてあるので
溝に沿って垂らした紐を帯毎挟み込む様に装着します
いやー伝わんないべなー(汗)
今回の出品作品全てに言える事ですが
表面処理を意識して製作してみました
「花影ノ屍王」も顔とそれ以外の部分の質感の違いを出す為に
「野晒喰」と同様の表面処理をしています
あと屍王は染めの濃淡コントラストをバッキバキに付ける様にしています
やはり型彫り根付の立体としての有りようとは別の
更に自由な表現が全然アリな差し根付が大好きです
長い型彫り根付じゃなくて「差し根付である」というところなんだけど
なー むーん 伝われー
"Castle of Flower Shadow" の地下迷宮最下層
Dungeon Level:99「冥王の間」で待ち受けていたのは
Arch-Lich と化した Lord of HANAKAGE Shi Sui であった
根付「花影ノ屍王」完成です
RPG と古典根付のマッシュアップという事で言えば
ファンタジー RPG 的不死の最上級種 "Lich" に見立てた幽霊の根付を
ドロドロと立ち上がる意匠とベストマッチな縦長の差し根付化するって事と
最終ボス戦突入すると先ず人型の魔王的なボスを相手にしますよね
竜王とかハーゴンとかエスタークとかね
で、やっとボス倒したぞ思たら
真のラスボスみたいなのが
ドドドドドドドドドドドドド
って出てくるじゃないですか
そう
至水の「花影ノ屍王」が倒されると
道甫さん製作の最期の本当の真のボスが
ドドドドドドドドドドドドド
と登場するという展示になっておる訳なのです♪
さて次は
製作順にブログ記事投稿していますので
モンスターの強さ的に順番前後している感じですが
「RPG」をキーワードに掲げ最初に思い付いたヤツ
獅子の根付をファンタジー RPG 変換しちゃうんだから♪
続く