2017/02/18

Figure carving : # 001

『 BEELZEBUB 』
Material : Stag antler , Brass



その昔

世が穢れ無き無垢の魂で溢れていた時代
我は大地に豊穣の糧を施しその営みを見守っていた

ただ慈しみ見守る者であったのだ

いつしか魂の一群が我の存在に気付き
我を崇め称えるようになった時

自らを豊穣の神とする事を受け入れ
未来永劫の豊穣と無垢なる魂の繁栄を約束した

どれだけの時が流れたか

この辺境の地に
白銀の鎧を身に纏い十字の旗を掲げた旅団が
「何もしない神」を伴い現れた

彼らの心もまた清らかに無垢であり
妄信による疑う事無き情念は
我を異教の邪神へと貶めた

辺境の地が須らく
「何もしない神」の「在りもしない加護」に染まった時

我は抗う事無く慈悲をもってそれを受け入れ
無垢なる魂達へ最後の豊穣と祝福を与え

堕天したのだ

これは全ての魂への

復讐の始まりである

「忌伝神話系譜録」第四章「糞王生誕序章」より抜粋

なんて

唐突に前置きも無く書き綴った
アレ設定なオレ設定の元

鹿角フィギュアを彫りますです♪





鹿角です
あ、根付じゃないのですよ(汗)





四面図





今回ホントに撮影で泣いた
縦長で細くて大きい作品写真撮るの
なんか上手くない(涙)
なので纏めて置いときます
画像クリックすれば拡大気味画像御覧頂けます





では蝿の王”糞王”BEELZEBUB様の携えたアーティファクトを御紹介
因みにBEELZEBUB様のアーティファクトは
全て"Rot deterioration"のエゴ付きだよ♪

Sword of putrefy
”Grateful Rot”
刃に触れた者全てを瞬時に腐敗させ大地に還す腐の邪剣
堕天前は生命循環の聖剣であった・・・

Fook of more painful
”Pandemonium Chorus”
とにかく痛い拷問手鉤刃
その痛み通常の刃傷の約4256倍(当社比)

Knife of painless
”Smiley Butcher”
切られた事に気付く事無しな無痛の肉切り包丁
なのに切れ味は悪し

Short whip of anguish
”Saints' Regret”
聖者の魂に苦痛と棄教の喜びを与える短鉄鞭
使用する相手を見誤るとただの御褒美になる可能性も・・・

Scythe of exploitation
”Soul Harvester”
魂の芽を刈る死神の大鎌
魂の芽を刈り取られた者には天国も地獄もなく「無」が訪れるのだ





弱き魂
迷える子羊どもよ
汝等に再生の喜びと後悔を与えよう





台座には金色の芽が萌芽しています

BEELZEBUB様
元は豊穣神であったので
御身の周りでは
御自身が発せられる豊穣の力場に触れた新しい生命が芽吹きまくり
生命の営みを終えた者からは魂の芽が萌芽します
その魂の芽が「ヒト」のものであった場合
躊躇なく”Soul Harvester”を用い刈り取り
魂の転生 生命の循環を絶つのです





我が力欲するならば其の魂と引き替えに
今生の豊穣を確約せん
鹿角フィギュア「BEELZEBUB」完成です

鹿角フィギュア製作への経緯は以前投稿した
の記事を御一読頂きたいかなと思いますが

何故に根付作家が鹿角でフィギュアを?

とか

何故に花影抄/根津の根付屋がワンフェスにディーラー参加するの?

とか

現代の「置物」としてのフィギュア考

とか

また別の機会に書かせて頂きたい事もいっぱいありありで・・・

色々と仕掛けてますよね?

面白くなってきましたよ!?

超ー楽っすいー♪

また彫るね!



2017/02/11

緒締 其ノ弐拾壱

『ぷりぷりお多福』
素材 : 鹿角、黒檀



ハイ

何を言っても根付「猫にゃらい」の完成が
節分に間に合わなかった事の言い訳にしかならない
そんな今日この頃

間に合わなかった次いでだ緒締も彫らせてもらうぜぇ
と彫り始めたのは
節分鬼の根付のカウンターパートとしてのお多福の緒締

鬼役を買って出た猫又兄又市の弟が被っていたお多福面と
豆の入った桝を併せて緒締にしようと彫り始めたのですが
彫っているうちに色々設定が沸いて来ちゃいまして

お多福のふくよかなほっぺを見ていると

頬の膨らみは「怒ってぷーっと膨れてる」から

とか

じゃ何で怒ってるの?

とか

桝に山盛り入ったお豆が撒けないお豆だったら・・・

とかね

彫りましょー♪





でこんなぷりぷりしちゃいましたー
六面図





指先にぷりぷりお多福
そのお怒りの理由は・・・





見て見てお豆が黒いでしょ

黒豆?

ちがうの
お多福豆なの

お多福面なだけに

えーっと・・・





お多福豆?
甘ーく炊いたそらまめじゃない?
ぺとぺとしてるじゃない?
そんなん豆撒けないじゃなーい!!!
っていう乙女の怒り
ぷりぷりお多福なのでした





紐が通るとこんな感じにぷりぷり





乙女の怒り
出展:マカロニほうれん荘
緒締「ぷりぷりお多福」完成です

それにしても改めて思うのは
こめかみの十字は「怒り」を表す漫画表現で
怒りの記号な訳だけれど
ホント怒って見えるから不思議
幼少期から漫画に慣れ親しみ
無意識に刷り込まれているという事も言えるかもですが
やはり漫画は偉大なりです

それと桝の中のお豆をお多福豆にした時点で
根付「猫にゃらい」との関連性が失われてしまいましたので
こちらは緒締のみで販売する事に致しました

でも早速新たな
「節分鬼のカウンターパートとしてのお多福」
を思いついてしまい緒締で出すにはもったいない感じなので
来年の節分にはそれを根付化したいと思います

そりゃもう
猫ですよ

至水が「猫」言ったら
以下略



根付 其ノ玖拾弐

『猫にゃらい』
素材 : 鹿角、真鍮、黒檀



二月ですね

節分ですよ


撒くよねぇ

っていうかもう二月十一日じゃないですか(汗)

いやいや三日
正確には四日の早朝には出来上がっていたのですよ!

でもやっぱり
「二月入ったら即Galleryの販売ページにUPされる」
が望ましいですよね

ホント時節モノの製作スケジュール管理はしっかりとしないと・・・

なんて言い訳はこのくらいにしましてですね

根付で節分豆撒きといえば
豆を投げつけられた鬼が木箱に隠れるものの
木箱が小さくて頭隠して尻隠さずなヤツですね

しかしあの「箱の中身は何じゃろな」用に設計された風の木箱は
当時実際にあった実用品なのでしょうか・・・・・

そこで今回の時節モノな根付

至水の時節モノと言えば
そう
猫ですよね
(何で?)
至水が「猫」言ったら其れ須らく「猫又」な訳です
(だから何で??)
で、こんな猫又ブラザースのお話を・・・



二月三日・・・

猫目をキラキラ輝かせながら猫又弟又次郎
今日は節分なんだって
ニンゲンは豆撒くんだって
鬼は外ーっ福は内ーって♪

めんどくさいが弟想いの猫又兄又市
毎年毎年何が楽しいんだかニンゲンめ
よし兄ちゃん鬼やってやっから
ジロはお多福被って豆撒いてみな

先程とは明らかに異質な腹黒猫目キラリな又次郎
やったー♪ じゃ撒いちゃうよー♪いっくよー♪
ふんっ!せいやっ!!おぉぉぅりゃっ!!!

親の敵とばかりの殺意を帯びた投豆を喰らいながらもおどける又市
アハハ痛いよジロ
兄ちゃん鬼降参だよジロ

渾身の投豆に一切の加減をしない又次郎
鬼めっ!必殺鬼殺しをっ!!喰らいやがれっ!!!

あまりの痛さで堪らず愛用の爪研ぎダンボールに潜り込む又市
ホント痛いよジロ
もう豆撒き終了だよジロ

冷ややかな笑みを綻ばせながらも鬼神の如き勢いを緩めぬ又次郎
息の根をっ!止めてやるっ!!地獄に堕ちろぉぉぉっ!!!

又市キレる
いいかげんにすれにゃーっ!!!!!

跳ね上げた爪研ぎダンボールが美しい孤を描き
節分の虚空を舞った如月の夜



そんな心温まる猫又兄弟の戯れを根付化です

彫るよ♪





なんとか二月三日中にアピールしたくて
facebookとツイッタに晒した猫にゃらい又市(兄)
染めが終わり
後はグラデかけて墨入れて黒目とお豆象嵌して完成ってところです





六面図





お解り頂けるだろうか
爪研ぎダンボールであるという事を・・・





ダンボールに金豆二粒
豆の象嵌は節分を表す「鬼やらい」に必須の記号ですね





いいかげんにすれにゃーっ!!!!!
キレた又市逆襲のニャァ





今回至水は自らの禁を破り
「The紐穴」な紐穴を設けていません(涙)
至水は紐穴Loverなのです
それも大小紐穴の大穴に紐の結び玉を収めたがりやなのです
意匠の一部透かした所に紐を通す紐通しには
実はあまり萌えないのですけども・・・

今回はコレでフィニッシュです
いやでもコレはコレでアリ





サイズはこんな
立像としては程よい大きさ
だと思いまーす
(自己肯定大事)





おまけショット





辛抱堪らず兄キレる
根付「猫にゃらい」完成です

この「猫にゃらい」思いついたのが一昨年で
昨年はタイミングを逸し節分に間に合わないと判断しスルー
で今年は行けそう間に合いそうと一月中に着手するもこの体たらく・・・・・

時節モノは難しい

いえ至水の時間読みの甘さ故なのですそうなのですごめんなさい(涙)

さて根付は完成したが節分は過ぎちゃった
ならもうちょいお時間頂いて緒締を併せて彫っちゃおう
と次に続く

のですがコレがまた

あははは
(笑って誤魔化さないで)

続く