2016/12/20

「the artfair +plus-ultra」


ここ数年Gallery花影抄が出展参加しているアートフェア
今年は
12月17日(土)~20日(火)のterm1
12月22日(木)~25日(日)のterm2
2会期に分かれ
東京都港区南青山にある
スパイラルガーデン(スパイラル1F) 
にて絶賛開催中な訳ですが

ん?

フライヤーの参加作家の中に至水の名前が・・・

そうなんです

実は後半戦のterm2に
至水も作品を出展しちゃうのです





「至水さん今年はアートフェアに参加しましょう」
と、Galleryからお誘い頂いたのが今年の初頭

しかも根付ではなく

鹿角フィギュアで!

お・おおお・・・そう・・・で・・す・・・か・・・・・



根付はお約束が結構あって
制約が多い造形物なのですが

モノがフィギュアならばですね

何でもアリ♪

出ます出しますと即答快諾しちゃったのでした



で、根付よりもサイズの大きいフィギュアですから
どの位の作業量になるのか

まぁ根付よりも時間が掛かるであろうと

早め早めに製作を進めていれば良いものを
結局着手したのは開催月の12月に突入してからと
己の計画性の無さに恐怖した至水なのでありました

そして結局
展示に間に合わせるには八割方完成状態での発送と(涙)

苦渋の決断ではありますが

ほぼほぼ完成状態のコチラがお披露目されますです



堕天され糞王と成り下がった豊穣神
蝿の王
「BEELZEBUB」

以前
悪魔を根付になんつって
Behemothの根付を製作しましたが
BEELZEBUBも根付化しようと意匠はストックしてあったのです
(そう言えばBehemothも4年前のアートフェアで売れたんだよなぁ)

それをのびのびとフィギュアに置き換えたらこんな禍々しさを湛えてしまい
いや湛えるよね だって悪魔だもの  しすお

至水は元々コッチ側の人だったりするので
実に楽しくホントのびのび自由にやらせて頂きました

12月22日(木)~25日(日)の四日間と短い会期ではありますが

是非是非会場で現物を観てやって頂きたいと願っております



BEELZEBUBの詳細や
Gallery花影抄が仕掛ける
「根付作家が何故フィギュア製作に手を出すのか」
「フィギュアは現代の「置物」である論」
等々
後日改めてBEELZEBUB完全版完成ブログ記事で書かせて頂きます

今後も鹿角フィギュアは製作して行きますので
根付ともどもそっち方面もお楽しみに♪





追伸

一先ず肩の荷を降ろせた至水は風邪っ引きになりました

師走だねぇ



2016/12/12

根付 其ノ捌拾捌

『茂林寺釜』
素材 : 鹿角、黒檀



ぬーん・・・

前回の根付「河翁」の投稿で最後に
象牙で狛犬彫るよなんて書きましたよね
いや一週間くらい彫り進めていたのです

それがですよ

象牙扱う人であれば御存知であろう
冬の象牙あるあるに見舞われましてですね

まぁ私の象牙の管理が悪いという話なのですが

とりあえずそちらは一時保留で現実逃避

いやいや
その一週間を取り返すべくですよ!

鹿角でコチラを彫り始めた訳であります



鳥山石燕が「今昔百鬼拾遺」で描いた
「茂林寺釜」

この鳥山石燕アレンジな分福茶釜を
至水アレンジで根付化したらばですね

茂林寺の和尚に湯を沸かすよう命じられた新入り小坊主
触れては成らぬと念押しされていたにもかかわらず
守鶴の茶釜で湯を沸かそうとしてしまったその刹那
茶釜から毛が生え手が生え足が生え
底から尻尾が飛び出すや
蓋がむくむくと形を変え小坊主を睨みつけ一喝
「テメェ・・・俺を火にかけるなって言われてんだろヴォケが」
と逆さの狸顔にメンチ切られてビビる小坊主

なんてのが思いついちゃったので彫りますよ





六面図





帯上に装着するとこんな感じで
装着者を上目遣いで睨みつけます





「テメェ・・・」
化狸本人は目いっぱいドスを効かせているつもりなのですが
逆さ狸顔面の効果で威圧感ゼロ・・・





角度つけて色々と・・・
茶釜の縁に手を掛けて
中から「ぬゅーっ」と出てくる狸顔
そんな感じ





サイズはこんな
程よく小さめ





今回の紐通しは

① 狸ヘッドパーツに紐を通し

②③④ 結び玉ごと茶釜ボディにINできる

そんな仕様なのです





守鶴の茶釜の正体を知った小坊主の運命や如何に・・・(汗)
根付「茂林寺釜」完成です

いやほんと鹿角はタフで良い(涙)
象牙で打ち砕かれた至水の心を癒してくれた(涙)
そんな作になりました

象牙の狛犬はまた改めて再開致しますが

今日からは本格的に
年末のアートフェアに投入する作品
堕天され糞王と成り下がった豊穣神
蝿の王
「BEELZEBUB」
の仕上げ追い込みでございます

その辺の告知も後日させて頂きますです

お楽しみに♪



2016/11/18

根付 其ノ捌拾漆

『河翁』
素材 : 胡桃、鹿角、緑色石英、黒水牛角



胡桃は良い

何も彫らんでもカッコイイ

胡桃の殻のテクスチャは自然が作り出した芸術品や!

関西弁にならずとも
伝わると思う至水の胡桃愛♪

時に胡桃をジィィィィィィィィッと見つめていると
何かが見えて来たりするのですよ

で、今回見えてきたのが爺の河童・・・


齢五百を数え
老成し得た河童は仙人と成る

とかならないとか・・・

人はそれを河仙人と呼ぶ

とかよばないとか・・・

河仙人と成り得た河童
そう
それが 河翁 なのだ


なんて

死水初期の作
の眷属の長であるところの河仙人がこのお方
「河翁:カワオキナ」
なのでしたというお話

彫るよ♪





六面図
頭部の胡桃は柿渋で
ボディの鹿角はヤシャで染めてます





河翁様のお顔UPで♪





超二頭身っ!
右手でアゴヒゲ整えてますよ





背中の甲羅はね・・・
歳ぃ取ると甲羅が抜けてのぅ
縄で括って背負っとるんじゃ
※河翁様談





紐通しは「Nuts o' Lantern」と一緒

河童皿パーツに紐を通し
黒いポッチマークが後方に向くようにして
頭頂部の紐穴からINします
後頭部から紐を引き出し
パイルダーオンっ !!!

引き抜く時は後方の皿の縁を取っ掛かりにして
爪を引っ掛けクイッと





サイズはこんな感じ
中指の絆創膏はリューターでザックリやっちゃって・・・
手タレ失格ですっ(涙)





おまけショット色々

実は死水初期の作
と連作になっているので
銘は死水にしています





至水の胡桃LOVEが止まらない♪
根付「河翁」完成です

いや久々に胡桃弄って楽しかったー!

胡桃で彫りたいアレやコレ
まだまだイッパイあるもんで
至水は胡桃を彫り続けますよ!

さて次は
色々と今後が危ぶまれる象牙を使った
狛犬だよ!



2016/11/17

第3回 THE GOLDEN NETSUKE AWARDS



先週の水曜日
至水は函館空港で
朝一発目の東京行きAirDo機を待っておりました
(この天候で搭乗予定の便は欠航振り替えに・・・)


今回の旅メインの目的地は京都

壬生にある根付のミュージアム
で開催される
「第3回 THE GOLDEN NETSUKE AWARDS」
の授賞式に参加するための旅なのでした


江戸時代後期(文政3年)に建てられた
京都市 指定有形文化財である武家屋敷「旧神先家住宅」の家屋内に
清宗根付館が収蔵する4500点オーバーの根付コレクションの中から
現代根付を中心に常時約400点を展示している根付専門の美術館です

そして清宗根付館で毎年開催されている
「THE GOLDEN NETSUKE AWARDS」とは
清宗根付館で前年一年の間に展示された現代根付作品から
根付納品業者の推薦や作家の自薦でエントリーされた数十点に絞り
そのなかから二作品(根付師二名)が受賞するというものなのです


まさか

その賞を

至水の『編めども・・・』が頂けるとは・・・




根付の作り手側からしてみれば
清宗根付館とは一線級の腕利き根付師達が
研ぎ澄まされた技術を注ぎ製作された根付でしのぎを削る
正に真剣勝負死合の場です

そんなコロッセオに
のほほんと展示された至水の『編めども・・・』
何故受賞出来たのかなんて
もう正直理解出来ません(汗)

受賞式の前日
閉館後遅い時間にも拘らず入館させてもらい
小一時間展示作品を観る機会を頂けました

至水にとって初清宗根付館です

ショーケースの中鎮座まします
そりゃもうキレッキレのTHE現代根付の眩しさたるや・・・

なんで至水なんて悪趣味大魔王を受賞させてしまうんだ!

至水の枕営業の成果がコレか!!

いやもっと他に優れた作品があるだろう!!!

って怒号鳴り止まないのは重々承知

業界内の今の至水のレベルなんて・・・
そんな自分が一番わかってますからー(涙)

でも頂いてしまいましたので

もうコレは開き直りましてですね
益々精進して参りますよ至水は!!!



最後に

この様な機会を与えて下さいました清宗根付館館長木下様

「第3回 THE GOLDEN NETSUKE AWARDS」へ
至水の作品をエントリーし受賞に向け尽力してくださった
Gallery花影抄のスタッフの皆様

根付作家などと怪しい肩書きの仕事を
生暖かく受け入れてくれている(くれている?)親族達

そして

至水の現代根付としては邪道すぎる作品を
寛大な心でお気に入り頂き
応援してくださっている皆様へ

本当にありがとうございました

今後とも何卒宜しくお願い致します

とろふぃー♪

2016/10/31

根付 其ノ捌拾陸

『 Nuts o' Lantern 』
素材 : 鹿角、胡桃、真鍮、黒檀



至水の


死水の10月と言えばハロウィン強化月間

という事で

と製作して来まして

本日リリースの第三弾がコチラ
「 Nuts o' Lantern 」 
ってもう今日ハロウィンじゃないっ(汗)

これで今年のハロウィンもの最後になりますね・・・

10月の死水の根付のテーマは「コスプレ」
(だったのです最初は・・・)
という訳で
「Jack o' Lantern」 のコスプレに興じるのが胡桃の禍ならば
それは最早「 Nuts o' Lantern 」ではないですか!?

そんな根付でございます





今回も途中経過画像撮れーず
いきなり六面図から
胡桃と鹿角のパーツを接いでます





久々の胡桃彫り楽しいわぁ
元々の胡桃のテクスチャが
柿渋で陰影強調されて超かっこいいの♪





萎びた蕪をくり貫いて作ったランタンには
小さな火種が揺れてます
炎は鹿角をインド茜で染めたものです





ぷりてぃポインツその1
しおしおになったハットを被ってますよ♪





ぷりてぃポインツその2
かぼちゃパンツでプリケツ♪
今年のハロウィンものの銘は全て「死水」です





紐通し
ハットパーツのループに紐を通して頭頂部よりIN
後頭部から出てくる紐を引くとハットパーツが
パイルダーオン!





サイズはこんな





色々と





胡桃の禍もコスプレでハロウィンパーティー行って来ます♪
根付「 Nuts o' Lantern 」完成です

いやー今年はこれでハロウィンものおしまいだけど
他にもあれやこれや考えてたやつあったの
間に合わなかったの(涙)

そいつらは来年に持ち越すので
どうかこのジャポナイズドハロウィンが定着しますように

それでは皆様御一緒に

はぴはろうぃーん♪


2016/10/19

緒締 其ノ拾玖

『 Night Of The Living Pumpkin 』
素材 : 鹿角



ハロウィンだというのにカボチャを飾らぬ不届き者
そんな輩には空蝉のカボチャをプレゼンツ♪
ハロウィンを強制執行ダ!
そう
あいつはハロウィンの執行者

そんな根付に
こんな緒締はどうかしら・・・



ハロウィンを楽しめないヒトが増えちゃうと
空蝉のカボチャの配布率も上がる訳で

Halloween Executor の霊気に当てられ
野良霊に憑依された空蝉のカボチャの底から
ニョリッと手足が生えてきて

宛も無く彷徨うカボチャで街は埋め尽くされちゃうの

正に
Night Of The Living Pumpkin !!!


という事で
ロメロ LOVE ♪ な彷徨うカボチャを彫りますよ !!!





四面図
ん?・・・緒締?・・なの?





テッテレー !!!
ボディは緒締スタンドなのダ♪





ハイ
緒締としてはこんな感じ





ちゃんと蔕があるよ





彷徨える生きたカボチャ
Night Of The Living Pumpkin !!!





Halloween Executor と一緒にどぞ♪





意外にプリティ♪
わざとカボチャ飾らないのもアリかもネ
緒締「 Night Of The Living Pumpkin 」完成です

さぁ

ハロウィンもの強化月間
第一弾リリースしましたが
果たして第何弾まで行けますかね(汗)

次もハロウィンもの行きますよ

Happy Halloween !!!



根付 其ノ捌拾伍

『 Halloween Executor 』
素材 : 山羊角、鹿角、真鍮、黒檀、赤珊瑚



さて
至水の10月といえば

そうです

日本ローカライズの洗礼を受け
最早本来の意味を忘れ去られ奇祭と化した
HALLOWEEN
に触れずには済まされませんでしょう

2014年は根付 『角灯南瓜』
と製作したものの
まだまだジャパニーズハロウィンに抗っていた感のある至水ですが

流石に3年も続けますと
もーコレは臆面もなく乗っかっちゃおーと
シスイワールド全開な妄想ハロウィン強化月間開始です



ハロウィンの夕刻
地獄にも天国にも行けず
無限境界を永遠に彷徨う魂を封入したカボチャを手に現れる
ハロウィンを執行する者
Halloween Executor

玄関先に飾られたカボチャに魂を分け与えて廻るのが使命
魂の焔が灯ったカボチャは厄を払い悪霊も跳ね除ける魔除けとなるのだ

しかしハロウィンだというのにカボチャを飾らぬ不届き者の家には
罰として魂の焔が宿らない空蝉のカボチャを置いて行き
ハロウィンを強制執行するのだ

そして Halloween Executor の霊気に当てられた空蝉のカボチャは
野良霊に憑依され宛も無く彷徨い出し街は正に
Night Of The Living Pumpkin

ハロウィンには必ずカボチャを飾る事
努々忘れてはならない

HAPPY HALLOWEEN !!!!!

なんだ Halloween Executor って結構イイ奴じゃん?ん?

彫ります!





六面図
いきなりですがメインの黒い外套は山羊角
釦が真鍮で他は鹿角です





こんな顔してるけど悪い奴じゃないんだなぁ





Halloween Executor が手にするのは彷徨う魂を封入した南瓜
ここから魂の焔を小分けにして与えて行くのです





紐通しはこんな
インナーボディを引っこ抜くと紐穴があるので結び玉を収納
アウターボディの紐穴から根付紐を引き出しドッキング

おや?
緒締が・・・





今回 Halloween Executor は浮遊していて脚が無いもんでスタンド付き
スタンドには紐穴が開いていて紐を通して設置します





スタンドの傍らに転がるカボチャの中には
ちゃんと蝋燭がホラ
見える?蝋燭





サイズはこんな
大きめね





最後に色々まとめてドン
久々に手元に残しておきたいって思っちゃうよな
黒いカッケー奴が爆誕しちゃいました♪

でも売らないと生活出来ないので勿論売りますのです(涙)





You must be enjoying Halloween...tonight
根付「 Halloween Executor 」完成です

今回も結構好き勝手やらせてもらってますが
やはり自分にとって根付とは
ウェアラブルなフィギュアなのだよなと
再確認出来た根付になりました・・・

ところで隣に移りこんでいる小っさい奴って

空蝉の・・・・・

続く