素材:鹿角、黒水牛角、竹、真鍮、少年サイボーグ
先日投稿致しました根付「胴面上臈」
その元ネタだよねの刑天はコロナ禍直前の2019年に根付化していて
夏のワンフェスに製作途中の状態で参考出展
会場で御売約頂き年末に完成してお引渡ししていました
この年の夏ワンフェスは
花影抄も巻き込んでの至水至上最も熱いワンフェスでしたね
さて刑天ですが
山海経の海外西経にさらりと登場します
黄帝との神の座を懸けた争いに敗れた刑天は
斬首され常羊山に埋葬されるが
両の乳は目と成り臍は口と成り
右手に戚(斧)左手に干(盾)を携え
闘志衰える事なく武舞を舞い続けた
というお話なのですが
ここから妄想が膨らんで
斬首直後から妄想奇譚が続きます…
死水妄想奇譚
「猛志固常在」
黄帝は眼前の光景に怒り打ち震えていた
胴の両乳に代わり浮き上がった眼は鋭く黄帝を睨みつけ
臍に開いた喉の奥より響かせる咆哮は常羊山を震わせる
斬首され尚 刑天は立ち上がり
その闘志微塵も衰える事なく武舞を舞い続けているのだ
貴様は敗北し死んだのだっ
勝者として強大な神力の下賜を約束された黄帝は
天帝への反意なぞ在ってはならぬと
刑天を骨片一つ残さず雲散霧消させるべく
自らの寿命から千年分を昇華し顕現させた覇者ノ神槍を
刑天めがけ打ち放った
轟音と共に真っ二つ裂ける常羊山を背に
刑天の四肢は吹き飛び表皮が蒸散して行く
眩い光渦が収束した跡には紅肉剥き出しの胴だけが転がっていた
寿命千年では足らぬというのか…
しかし咆哮は止み胸に見開いた眼は生気を失い微動だにしない
刑天の死を確信した皇帝は安堵し神位を賜るべく天界へと飛び立った…
……………
…遠くで足を踏み鳴らす武舞の律動が微かに聞こえる
いや
これは己の頭の奥深くで鳴り続けているのだ…
肉体の大半を失い現世を離れた刑天の意識体は精神世界に蘇生していた
固く瞑った瞼に閉ざされた深淵か
暗闇で眼を見開いた暗黒か
ただ眼前に拡がる無限の漆黒に己の悔恨だけが溢れ渦を巻き続けている
天帝神位への執着と黄帝へ向けられた際限のない闘志の奔流が
精神世界での臨界に達した刹那
現世に残された刑天の胴を介しアストラル体と成り五十里四方に放散され
一瞬にして胴めがけ収斂するや其処には
超密度の高位アストラルボディを纏い
右手に戚、左手に干を携えた巨人が屹立していた
巨人刑天の両乳の眼は天空を睨み
ゆっくりと武舞の律動を踏み鳴らすと
再びの神位争奪戦を挑むべく
黄帝を追い天界へと飛び立った…
刑天舞干戚 猛志固常在
不屈の闘志は何度でも己を立ち上がらせるのだ
終
はい
妄想ですからね
引用創作です
という事で刑天の根付化なのですけども
この2019年のワンフェスに出展する際の死水のテーマが
「プレイアビリティ」
これって何かというと
根付の楽しみ方って色々ありますよねと
「提げものと併せて実際に使う」
とか
「コレクションして並べて飾って眺めてニンマリする」
とか
「掌のなかでにぎにぎする」
とか
「自作の根付を彫ってみる」
とかとか
で、今回の刑天は
「遊んでみる」
そうです
ブンドド出来る根付なのです!
六面図
皇帝による覇者ノ神槍の一撃で
ずる剥けにされてしまった刑天ボディ
背面
筋組織のテクスチャとかみっちり入れているよ
結玉は左みぞおちに収納されます
サイズはこんな
饅頭根付感覚でお使いくださいの感じ
指汚いな
さてここからが今回のテーマであります
「プレイアビリティ」
の真骨頂
先ずこれが少年サイボーグを素材として製作しました
「刑天ノ剥身」専用の根付ケースになりまして
胴体をパックリ開けて根付を収容します
ご覧ください
超密度の高位アストラルボディを纏い蘇った
巨人刑天の出来上がりです
ちゃんと乳のとこに眼があるし
臍のとこに口がありますでしょ
そして戚(斧)と干(盾)も作りまして
干の裏側にはこのように持ち手があります
勿論装備可能でございます
つまり「刑天ノ剥身」専用の根付ケースは
変身サイボーグシリーズでいうところのアウトフィットであり
戚と干のウェポンセットが付属する
アクションフィギュアなのです
あとはドクロキングのアウトフィットを着せた
キングワルダー Jr. を黄帝に見立ててですね
天界でのリベンジマッチを思う存分ブンドドしてくださいませという
そんな根付なのでした
共箱もスペシャルです
ね?
お分かり頂けますでしょうか
ワイヤー入りビニタイを使って台紙へ固定する
変身サイボーグシリーズの紙箱パッケージのオマージュなのです