素材:鹿角、珊瑚、黒水牛角、黒檀
今年の前半くらい
ツイッタの TL に妖怪「はらだし」に関するツイットが流れて来まして
添えられていた画像は歌川豊広が描いた「伯州船上山古寺之怪」で
この画と「はらだし」の関係についての諸々は
はらだしの wiki を見て頂きたいのですけれども
いや刑天が元ネタだよなぁとか思いつつ
はらだし彫ろっかなぁとかなんとなく調べ始め
江戸時代後期に山東京伝によって書かれた
「小説浮牡丹全伝」を知る事になるのですが
これが読物としてとても面白く…
ですので今回は至水妄想奇譚云々はいらぬと
ここら辺 ↑ のリンク先で公開されております小説浮牡丹全伝は
全文読めますので是非御一読頂きたいのです!
至水は国立国会図書館デジタルコレクションから PDF を DL して来て
今回の根付の元ネタとなる小説浮牡丹全伝の第一回(第一話)
古文でもんのすごい読みにくいですけども
この1エピソードだけはなんとか読みました
古寺で起こる怪異をめぐり
力の嵯峨右衛門と知の豹太夫が出会うまでのお話なのですが
(至水の読み下しが間違っていなければ)
古寺に現れる化物達の中の一人である上臈姿の化物を描いた
(おそらくその場面を描いていると思われる)
歌川豊広の「伯州船上山古寺之怪」を元絵として
至水解釈で根付化したのが今回の根付
「はらだし」改め命名「胴面上臈」なのでした
という事で彫りますね
六面図
左手には「干」(盾)
右手には「戚」(斧)
そして胴には「異形の面」とくれば
元ネタは刑天に間違いなしと勝手に納得しまくり
本来であれば
破れた袴の内側に錦襴絞纈の柄生地が見え隠れ
舌と乳目には珊瑚(他意は無いよ)
臍口から見えるお歯黒前歯は黒水牛角が嵌ってます
「伯州船上山古寺之怪」の大好きポイントが
上臈の長い髪が胴面の髪にも見えるところ
根付だと髪を片側に流してしまったのであんまり伝わらないけど
この角度だとそれっぽく見えるかな…
この乳を丸々眼球に見立てた歌川豊広のデザイン
カッと見開いた感じが好き
何かスペシャルな時には初期の柄生地使った根付袋の復活もありだけど
厚みは20㎜強なので使い勝手は良い筈
根付の使用感は厚さに左右されると思っているので
とにかく「小説浮牡丹全伝」読んでみて!
根付「胴面上臈」完成です
小説浮牡丹全伝は第二回の序盤までチラリと読んでみて
どうやら嵯峨右衛門と豹太夫のバディもので
怪奇大作戦が繰り広げられるであろう展開にワクワクしつつも
古文故に読み進めるのを躊躇するというヘタレ状態
現代文訳で書籍化
いや漫画化
なんなら Netflix で実写化とか…
やってくんないかなー
そして「伯州船上山古寺之怪」の元ネタだなぁの刑天は
2019年に根付化してワンフェスに持っていったヤツ
ブログ未掲載だったので
続けて投稿しましょうね
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