2013/12/31

LAST DAY IN 2013


はぁ~

終わるねぇ

終わりますよ2013年

あっという間でしたねぇ
歳とるとねぇ

という事で今年も今日でお終いな訳ですが
なんだかんだで根付彫って一年生活する事が出来ました

Gallery スタッフの皆様
お買い上げ頂いたお客様
御注文品をお待ち頂いてるお客様
WEB上でかまってくれている心優しいSNSfrendsの皆様へ

感謝の気持ちでいっぱいの
至水で御座います !

・・・・・

と、少し話は変わりまして
「アマチュアモデラー」と「プロ根付師」の狭間で、な件

以前友人より
「根付作って売ってしまうと手元にモノは残らないんだよな」
的な事を言われた事があります

根付を生業にするまでは
プラモデルやガレージキットや自作のフィギュアなんかは
当然作って飾ってなモノでした

手元に残らないモノを作るという作業はやはり趣味とは違う訳で
当たり前の事なのですが
生活する糧を得る行為になってしまったという事で・・・

でも四十数年生きて来て
これ程楽しい
「生活する糧を得る行為」に出会えた事は無いもんで
至水は来年も
うひゃうひゃと根付を彫り続ける所存であります


あ!
そー言えば
今年から根付の下絵替わりにモックアップを作る事にしたので
手元に残るんですよね
コイツらが !

来年はもっと沢山のモック達を並べられる様
がんばりますよ !

それでは皆様
良いお年を



2013/11/28

Stag Horn Ring : No.014

『 Zaou Gongen 
Material : Stag horn , Brass , Black buffalo horn
Size : 25


前回のあらすじ


・・

話は遡る事九ヶ月前
今年の三月初め頃
久々に鹿角指環の製作依頼がありまして

題材は
(いつもの如く詳しくはwikiへ丸投げ~)

憤怒の表情が超かっちょイイ
日本オリジンの仏様なのです

色々と御注文品をお待たせしまくっているもので
先月やっと試着の為の鹿角ピースを Gallery へ送り
フィッティングOKで彫りに移行したのですが
グループ展用の作品製作の為またもや棚上げに(汗)

そして無事グループ展が始まり
鹿角指環を御注文頂いたお客様も来場され
期間中に鹿角指環が完成する様であれば
一緒に展示しても良いですよ
最終日に引き取りますから
と仰られたとの事

こ、これは
会期中に完成させよと読み取るのが正解 ・・・ ?

Gallery からの電話は
「間に合いますか?」の確認だったのです!

ならばとアスラシステムを強制起動
更には旋毛に隠された「やる気スイッチ」を超連打
完成させたのが
はいコチラ
Front view
Side view : right 
Side view : left 
Rear view
Size : 25


お客様のリクエストで「死水」の銘を入れます

鹿角指環彫りは
たーのしーいねー♪

役小角の眼前に降臨する蔵王権現様
「呼んだ?」

眼の仕様もお客様からの御指定で
両目は水牛角+真鍮+水牛角の三重象嵌
天眼は真鍮+水牛角の二重象嵌です

やはり大変な手間なのですけど
全然見栄えが違いますよね
かっちょイイ!
御代もそれなりになっちゃいましたけど(汗)

ユカワOSに致命的なダメージを受けつつも
なんとかグループ展期間中に完成した
鹿角指環「蔵王権現」
最週末の展示後
無事お客様に引き渡せた様で良かった良かったです

これでホントに熱い熱い九日間が終了致しました
次は必ず会場行きますよ

うん、がんばろ

これにて

悪魔ノ天秤「当世根付気質編」




あー ・・・
安堂ロイドネタを投入する勇気 ・・・


2013/11/27

緒締 其ノ捌

はんざきちゃん
素材 : 鯨歯、鹿角、黒檀


グループ展出展作品
最後にちらりと現れた小っさいヤツ・・・

ある意味「半裂様」の上位互換的仕様を持つ
アンブレイカブルな存在
プラナリア!
の緒締である「はんざきちゃん」です
切っても切ってもプラナリア~

六面図
鯨歯の象牙質部分の色味がとってもプラナリアっぽい
ホント漫画目ですね(笑)

小っさいよー
ここから二匹に増殖ダ!

根付「半裂様」とは不死繋がり
切っても切り離せない
緒締「はんざきちゃん」の完成です
(セット販売となります)

これでグループ展用の新作は全て仕上がりました
納品も無事済ませ一安心
と思った刹那
Gallery から一本の電話が!

悪魔ノ天秤「当世根付気質編
も少し続きます



根付 其ノ参拾伍

半裂様
素材 : 黒檀、真鍮

グループ展出展作品最後の三本目

テーマは
「至水って俺設定やり放題なのな」

という事で至水が何か作る際にちょくちょく出てくる
「俺設定」

題材の元ネタは至水の腐脳内で熟成発酵再編成後
意匠としてもりもりっと排泄されます
それは外観以外は全く別モノになっていたり
或いは外観だけが全く別モノになっていたり
その両方だった場合元ネタが全く見えなくなっていたり(汗)

俺設定をでっちあげる
この作業が楽しくて堪らないのですね ♪
(まぁ、素直に彫れない妄想野朗だって事なのですが ・・・)

で、俺設定てんこ盛りな今回の意匠は
半身に裂かれても死なぬのだ
わしがハンザキ様じゃーい!
そんな最早生物なのか神体なのかの境界も朧な存在までに
不死のイメージを純化させたオオサンショウウオ
半裂様!
いや「ハンザキ」が昔のオオサンショウウオの標準和名だった
という事は流石に至水も知っとります
知ったうえでの妄想の暴走がまた楽しいの

六面図
黒檀の黒光りボディにギラリと黄金に光る真鍮の目
堪りません

でも鹿角彫りから木彫に移行して暫くは
素材の違いに慣れるまでが大変
スチールバーの目はすぐ詰まっちゃうし
木目に刃先を誘導されちゃうし
でも黒檀好きなので気合で彫るのです
(まぁ結果すぐに慣れるんですけど、最初は焦ります)

ちゃんとモックも作ってるよ
でも腹側のヒダヒダはオミットしたよ(泣)

再生した背中の半裂傷
実際の山椒魚も指先の欠損くらいなら再生しちゃうみたい
凄いね

サイズはこのくらい
ころころしてて掌でにぎにぎするのがとても気持ち良いです

そんなこんなで俺設定塗れな
根付「半裂様」の完成です!

ん?
半裂様の前になにやら丸まった漫画目なヤツが・・・
ヤツは一体・・・

続く




2013/11/26

根付 其ノ参拾肆

手ノ目
素材 : 鹿角、黒檀


グループ展出展作品の二本目
テーマは
「至水って妖怪も大好物なのな」
という事で今回チョイスしたのが
「手ノ目」

・・・っと
いきなりですが
2007年に日本で公開されたギレルモ・デル・トロ監督作の映画
詳しくはwikiでっ!
至水はこの映画が大好きでして
作中主人公の少女が挑む第二の試練で登場するクリーチャー
ペイルマン!

今回「手ノ目」を彫るにあたり
どーしてもコイツが頭から離れなくて
だってどー見ても元ネタは手の目でしょ?
いや手の目をリスペクトしてる筈でしょペイルマン
(ソースは何処にも無いですがね)
と勝手に思い込みましてですね
「そんな手の目リスペクツなペイルマンをリスペクトしての手ノ目」
という複雑な構造の意匠になりました
はいコレ
やっちゃいましたね(笑)

六面図
肌蹴た襟と着物の皺の表現・・・楽し

おー?
珍しく今回はモックアップに忠実ですねー

背面
実は至水は紐穴大好き!
透かしの間に紐を通すのは出来れば回避したい方
大きい紐穴に「しゅ」と紐の結び玉が納まる感じが堪らんのです

サイズはこんな感じ

根付「手ノ目」完成です

やはり妖怪彫るのは楽しいです
鳥山石燕サイコー!


2013/11/25

根付 其ノ参拾参

『聖杯』
素材:鹿角


Gallery花影抄 ・根津の根付屋で開催されていたグループ展
昨日無事終了致しました

出展作品も全て無事嫁ぎ先が決まり
これでなんとか年が越せる(泣)
美味しいお餅も食べれそぉ?
と安堵致しております(泣)

会期中一度も在廊出来ず
次回、展覧会の機会があるならば
必ずや必ずや上京じゃ
と、血涙堪えて誓いをたてた次第であります

今回のグループ展メンバーにピックアップしてくださった
Gallery スタッフ 橋本様
そしてなにより
御来場頂いた方々
Twitter、facebook 等 web上で話題にして頂いた方々には
感謝の気持ちでいっぱいで御座います
有難う御座いました!



それでは早速
出展作品をUPして参りましょー!

先ず一本目の
テーマは
「至水ってスカルが大好物なのな」
です

グループ展のDMにも載り
とても至水くさい
どす黒い根付
「聖杯」
以前よりチベタンスカルを根付にしよーと考えており
ネットで画像拾いしていたのですが
すぐに見つかるタイプは金属の眼球が装飾され
豪勢に輝石が埋め込まれた
多分高僧の頭骨なのだろうなぁというタイプ
しかし なんとなくしっくり来ず
しつこくしつこく探していると
眼球の入らないシンプルめのタイプを発見!
それをベースに
高僧タイプから美味しいところを頂いて盛り込み
再構成してみたのが今回の意匠なのです
(多分実際にはこういうチベタンスカルは無いと思います)


鹿角で彫ります

スカルは好きだし数彫ってるんで
サックサクとフォルムは出せるのですが
装飾彫りが・・・(汗)
同パターンを繰り返し彫るという作業は
苦行以外のなにものでもなくっ!

でもやはり
手を掛ければ掛けるだけ
明らかに仕上がりは良くなるものなので
彫ります!

六面図
今回意識的に濃~く染めてます

正面あっぷ
装飾装飾ーっ 装飾彫りでーい!

二神が刀を交えております
そっ、装飾装飾ーっ 装飾彫りでーいっ(汗)

サイズはこんな

苦行を乗り越え
根付「聖杯」の完成です

当初装飾部分は金属パーツで別造しようと画策していたのですが
グループ展用に最低あと二本は彫らねばならんので
スケジュール的に無理!
と判断し装飾彫りと相成った訳ですが
結果良かったかも
象嵌の脱離も心配しなくて済みますしね ♪

やはり至水は SKULL LOVER なのだなぁ
と再確認した一作になりました



2013/11/23

緒締 其ノ漆

『九つ目』
素材 : 鹿角


久々の緒締
根付「九ツメ」と切り離す事の出来ない存在
九人目の童の頭骨の緒締です

小っさ

後頭部には「」の字がメラメラと刻まれ・・・

四面図

根付「九ツメ」と共に
緒締「九つ目」の完成です




根付 其ノ参拾弐

九ツメ
素材 : 鹿角

月刊美術でピックアップされるとの事で
本誌発売までUPを自粛(勝手に)していましたが
やっとアンロックです!

以前製作した根付「九尾」
使用する材の形状から
当初考えていた静的な意匠(お座りポーズ)ではなく
動的な意匠(飛び跳ねてる感)に変更したもので
御購入頂いた海外のお客様から
静的なのも見てみたいとの要望があり
今回製作する事になりまして・・・

作題は「尾裂」で
百の年を過ぎて尚死ねず
人童を殺め喰らう度
尾裂を繰り返し
終ぞ九尾とならん
と、いつもの如くオレ設定をでっちあげ
所謂「九尾の狐」では無い妖狐「オサキ」にしてみました

 鹿角をざっくざく彫り進め

六面図
磨いて染めて仕上げして

今回は人の子を食す度に尾が増えていくという設定から
尾の数分の頭骨を色んなトコに配置します
あんなとこやこんなとこにも !?

斜め後ろから二枚
九尾の狐の鬼門はこの九本の尾!
毎度まとめ方に苦労します

サイズはこんな感じ

頬杖を付きニヤリと見つめる視線の先には・・・九つ目の

っと
九本目の尾裂のトリガーとなった
九人目の童の頭骨の緒締とセットで
根付「尾裂」の完成です
根付本体には八つの頭骨しか配していないので
緒締とセットで「九ツメ」の意を成す仕様となっております


で、完成したのですが
全体のフォルムがどんどん狐から離れヒト化させてしまったので
お顔がねぇ・・・短い
なもんで
お客様の九尾のイメージとそぐわなかった為
もう一体彫るという事になりまして
作題の「尾裂」はそちらに取っておいて
本作は「九ツメ」に変更
タイミング良く月刊美術にピックアップされる事となり
めでたく誌上販売になった訳であります

何卒宜しくお願い致しますー



2013/11/22

月刊美術


またもや告知です

11月20日発売の月刊美術12月号に
至水がピックアップされております
美術誌に載る
うーん・・・感慨深いです


現代根付作家の現状について書かれた小特集の扉に
根付「尾裂」改め「九ツメ」がズドンと!
記事には至水がいかに異端なニューカマーかが
書かれております


興味をお持ち頂けた方が居られましたら
是非御一読くださいませ

(立ち読みでもイイかも)

(いや、買った方がイイかも・・・)


2013/11/18

「当世根付気質 トウセイネツケカタギ」


あ!

しまった

ブログでの告知を忘れていた・・・
( facebook の方には告知投稿してたのですが 

私の作品を取り扱いして頂いている
にて

若手根付作家によるグループ展
を、開催中で御座います
参加作家は
永島信也、中梶真武、至水、狛、森謙次
の五名

会期は
2013/11/16(土)~24(日)/会期中は、21(木)休

と、なっております

若手作家と謳いつつ
至水が参加する事で平均年齢の引き上げを招いてしまっておりますが(汗)
他四名の作家さん達はお若い花影抄のエースばかり

美しく可愛いほっこりする根付は
彼らがしっかり作ってくださいますので
至水はいつもの如く
どす黒く醜悪でゲンナリする(そ、そこまで酷い?)
ニッチな嗜好にお応え出来る作品を投入させて頂いております



会場では、至水の新作根付三点と、セットの緒締一点が
皆様の御来場をお待ち致しております
是非
捏ね繰りまわしにいらしてくださいませ!

2013/10/24

根付 其ノ参拾壱

雷雲
素材 : 象牙、黒檀、真鍮、水牛角



以前、父からのオファーで製作した
金冠には鹿角製の龍が嵌まっているのですが
実はこの龍
再初は象牙で彫り進めていたのです

しかし象牙製の龍は少々ボリュームが有り
金冠部よりも突出しているのが気に入らなかったらしく
NG!
(無償で製作しているのにっ !?)
龍のパーツはお蔵入りになったのです

で、今回
この象牙製の龍がもったいねぐ思えてきてしまい
(こっちの龍の方が出来はイイんだからねっ!)
そーだ根付にしてしまおう!
なんて
始めたのがコチラ
 黒檀の雷雲からドロドロと現れる火焔龍
(黒檀の削粉が久々手指を黒く染めるのです・・・)

六面図
真鍮イカズチを嵌めてピカッ
龍の眼には小っさい水牛角が象嵌されてます

角度つけて四方から
墨が入って龍もキリッと男前になりしました

正面右上の雲の下には空間を作り
イカヅチをゴロピカとブリッジさせてます

サイズはこんな感じ
龍のパーツがあっての意匠なので
至水にしては珍しい小振りで可愛い根付になってます

根付「雷雲」完成です

いやー
久々に黒檀弄りましたけど
鹿角や牙彫に慣れきった昨今の至水には
「木」って色々と大変(泣)
と再認識させられる品になりました

でも黒檀は好きなのでまた何か彫りたいです
黒々とヌメッとしたアイツとか・・・
うふふふふ