2012/12/28

根付 其ノ弐拾陸


『蝦蟇仙人
素材:象牙、水牛角
今年の根付 今年の内に
という事で
ブログ連投する至水です

この「蝦蟇仙人」
facebook に下絵を UP したのが8月8日!?
随分経ちましたねぇ・・・(遠い目)


さて先ずは
 象牙ブロックをザックザク粗彫りから
実は象牙を使うのは今回が初めてなのですが
鹿角にくらべ柔らかく彫り易い感があるのですね

彫り、磨き終了
鹿角にくらべ艶も出し易い気が・・・
そしてイイ艶

六面図
今回の染めはホントあっさりと

青蛙神さん
水牛角の瞳がキラキラ

「!っ」
が、蝦蟇仙人様 ・・・?

サイズはこのくらい
蝦蟇仙人様の足指突出が不安・・・(汗)

仙人史上過去最大級の青蛙神を釣り上げた蝦蟇仙人様
持ち帰ろうと背負った瞬間腰に激痛が走る
「う゛っ」

な感じで

根付「蝦蟇仙人」の完成です

2012年、今年最後の完成品は「蝦蟇仙人」になりました
来年は残りの八仙も彫りたいですねぇ
もうやりたいモチーフは山ほどあるのに手が追いつかないという・・・


来年一発目の根付は2013年の干支「巳」がらみのアレです
ホントは12月中に上げる予定だったのですが
間に合わなかったぁ(涙)
お楽しみに








2012/12/26

Small articles : No.005


『石上千年ノ末
素材 : 鹿角、黒水牛角、真鍮、牛革、竹

提物「石上千年ノ末」の製作
まだまだテンション高く維持したままのスタートです
しかしこの時点で作品展まで残り4日
急ぎますっ!

時間無さ過ぎで作業途中の画像を残せておりません(涙)
「石上千年ノ末」が指し示すのはこの前飾りの事でして
本体は鹿角
傍らの鴉が黒水牛角
野晒しの額に開いた「第三の眼」と鴉の瞳は共に真鍮

カウレザーで煙草入れ風提物を製作
根付、緒締、提物を 超電磁合体!
薬指を帯の上端とイメージして下さい
根付が帯に引っ掛かり
こんな感じで提物が腰にぶらさがるのですね
 
内側

おわかりでしょう

内張り無し
留め金はスナップボタン
蓋の角は出てないし
折り畳み部の縁は革切りっぱなし(涙)
超手抜き!

もう作品展に間に合わせる事だけを目標に
オミット諦め力技で完成まで持ってったもんで
売り物にはなりませんです(笑)


一羽の鴉の傍らに転がる
石上千年の末最早骨片と成り果てた行者の骸

畢竟野晒しの額に開いた天眼は
すべからく宇宙の真理に到達せしめる・・・
大仰ですなー(笑)
的な

提物「石上千年ノ末」完成です!

超突貫作業で完成させた三つ揃えで
提物の縫製は悲しい仕上がりですが
結果として来場者の方々に
「根付はこの様に使います」
という事が伝わる展示になり良かったです


超濃密な突貫作業の2週間を終え
プレッシャーから開放された途端
薄笑いを浮かべつつ泥のように眠り続けたのも
最早良い思い出

展示会という祭りが終わり
また根付を彫りまくる日常に戻って行く至水なのでした




緒締 其ノ陸


『石上百年ノ行』
素材 : 黒水牛角、鹿角、真鍮
根付「石上十年ノ行」に続き
緒締「石上百年ノ行」
テンション高くスタートです

石の上で百年経っちゃった感を出したいので・・・

本体は黒々と水牛角
象嵌パーツは鹿角を濃い~く染め
眼には真鍮を嵌めます
百年経っても「ぎらりな眼光」は衰えておりません!

組み上がり
ミ、ミイラ化しちゃってますけど・・・
(百年経ってますからねぇ)

四面図

我「石上百年ノ行」に移りて後
より深き悟りの深淵に到達せしめる
的な

緒締「石上百年ノ行」完成です!

根付とのツーショット!
ビフォー アフター です


次は提物
「石上千年ノ末」
せ、千年!?

GO!!

根付 其ノ弐拾伍


『石上十年ノ行
素材:鹿角、真鍮
10月末に開催された作品展
縁あって主催の方から出品のお誘いを頂き
根付と鹿角装身具で参加する事になりました

しかし手持ちの根付はタグアナッツ製の初期作品ばかり
せっかくなので売物クオリティ根付を新作で追加と思い
急ぎ意匠を考える事にします

しかし開催日まで2週間を切ってます(汗)

更に悪い癖で
「根付はこの様に使用するのですよ」と解るように
根付+緒締+提物
の三点で意匠を揃え製作しよう
などと自らの首を絞める行為を発動!

で、頭に浮かんだのが達磨モチーフの三つ揃え
「石上十年ノ行」に挑む修行僧の形態推移、至る千年後・・・
はい即決ですっ!
(時間も無いからーっ!!!)

そして濃密な2週間に突入するのでありました・・・

鹿角の根元、冠部分をザクザクいきます

彫り、磨き完了!
今回象嵌する眼の素材には真鍮をチョイス

「石上十年ノ行」を完遂した刹那の眼光
ぎらり
真鍮は緑青吹いちゃうかなと思い敬遠していたのですが
石とは違った「ぎらり感」がイイですねぇ
気に入ってしまいました

六面図

払子がなびいてます

サイズはこのくらい
小ぶりです

石上十年の行完遂の刹那
ぎらりと帯びた眼光の先に悟りの境地を見る・・・
的な

先ずは「石上十年ノ行」の完成です!

最高のテンションのまま
次は緒締 「石上百年ノ行」 に GO !!

不眠によるナチュラルハイと思われます・・・



2012/12/12

根付 其ノ弐拾肆


『大食
素材:鯨歯、鹿角、水牛角

いつもの如く
facebook のタイムラインをつらつらと眺めていたところ
思わず目を奪われた投稿がこちら
コラン・ド・プランシー著 『地獄の辞典』 に
M・L・ブルトンが描いた悪魔の挿絵をまとめた画像!

幼少期にテレビマガジン&テレビランドの熱心な読者であった
私のハートを見事にワシヅカミ!

何故ならば
当時のテレビマガジン&テレビランドには付録として
この画像な感じでライダー怪人やウルトラ怪獣が印刷されたカードが
まとまって付いており、イラスト毎に切り離すと
「ライダー怪人トランプ」やら「ウルトラマンカード」やらが完成するのですね
異形の輩が大好物の至水少年は
もうこのカードというアイテムが大好きで大好きで
紙がヘロヘロになるまで弄り倒し、眺めてはニヤニヤしておったのです


さて
時は流れ不惑の歳に突入した至水おぢさんですが
この画像を見た瞬間
「こいつら片っ端から根付化してぇ」
という衝動に襲われまして

やっちゃいました・・・
先ずは第一弾
地獄の象さん・暗黒のメタボプリティ・・・
ベヒモス様で御座います(涙)

六面図


背肉むちむち


あぁ・・・目がいっちゃってる
食の事しか考えてません


サイズはこのくらい
素材の鯨歯が小ぶりだったもので
小っさい!
ベヒモスなのに(汗)


腹肉をたくし上げつつ
根付「大食」の完成です

悪魔の根付ってどーなの?
という気がしないでもないのですが
Gallery 様からは悪魔モチーフでも
「問題無いのでは」
と言質も取れてますので
また彫ります(喜)

次は
ベルフェゴールかな
それとも
ベルゼブブかなぁ
うへへへ
わくわくすっぞ



2012/11/07

Stag Horn Ring : No.012


『 Two mouth 
Material : Stag horn , Ebony
Size : 16.5


続きまして

桃山人夜話より

「 二口女 」で御座います ・・・

Front view 
Side view : right 
Side view : left 
Rear view

Size : 16.5

表のお顔はプリティな女子
後頭部にはダラシナイ事このうえない下品なお口
This is the " Two mouth woman "

鹿角指輪 『 二口女 』 完成です!

いやー
当初は竹原春泉斎画的な「和女性顔」を目指してみたのですが
誤魔化しの効かないシンプルな和顔は激ムズです
「今の私のスキルでは無理デス」

という事で早々に和顔は放棄!
アダムズファミリーのウェンズディ方向にシフトチェンジし
こんな着地を見た訳で御座います

やはり何の制約も無く自由に彫れると
楽すぃ♪ 楽すぃ♪
しっかりリフレッシュ出来ました ♪

さぁまた根付彫りますよー!

2012/11/06

Stag Horn Ring : No.011


『 Cat man 
Material : Stag horn , Ebony
Size : 19

根付製作でぱんぱんに張った神経を優しく解きほぐすかの如く
さっくり鹿角指輪を彫るのです

そう彼の名は
「猫親爺」

キャットメーン !!!
Front view 
Side view : right 
Side view : left 
Rear view

銘は「死水」ですよ

Size : 19

普段は超ジェントルメン
全身猫スーツに身を包み毎夜街をパトロール
悪漢を成敗するのが彼のライフワークであります
「 KICK-ASS IN JAPAN 」な感じで
メインウェポンは靴べらです !
(グリップエンドにゴルフボールが付いてて長いやつね ・・・)


「 O ~K ~!!! 」
「 Repent ! fuckin' bastard !!! 」

完成でっす!





2012/10/30

御来場頂き誠に有難う御座いました!

『街・なか・アート・彩』無事終了致しました!

準備期間が三週間も無く
フライヤーの配布が開催日五日前という突貫イベントでしたが
前日に道新みなみ風で記事になり、FMいるかでもイベント告知が有り
会場の古民家前に設置した看板を見て興味を持たれた御近所の方々も来られ
会期中予想を遥かに超える来場者数に
関係者各位驚きと喜びで咽び泣いておりました!
(・・・誇張有り)


そんな会場の雰囲気と参加作品をダイジェストで・・・


木工
作者の方は廃材を活用した木工作品を制作しておられます

年代物の箪笥の上に鎮座する
年代物のコーヒーミルと
四十年物のイラスト達・・・

巨大写経&版画彩色

古民家の庭を借景にDB&Evaのイラスト群

やまび子おやじ氏の革製品達

ステンドグラスとアートクレイシルバー

革で絵を描く「革絵」
染色したり、成形した革を張り込んだ絵画作品
スイマセン映り込みが酷すぎる(涙)

襖にベストマッチ

アクリル画
押し入れを利用してディスプレイされてます

細密なペン画と和テイストな猫画
両極を描き分けてますねぇ
作者はこちらのブログ主さん
函館、五稜郭で営業されている
創作和食レストラン「代志川」のブログです
私も御馳走になった事がありますが
カニクリームコロッケがもう堪らんかったです

苔玉もアートを醸します

多種多様な民族楽器
自作楽器
「音が出るツール即ち楽器である」
そんな YO→1 ワールド

至水の根付と鹿角指環

焼き物
火鉢とも相俟って良い雰囲気出してます
ソリッドなキューブ状の一輪挿しが印象的

油彩
中央、ガラスをキャンバスにして描かれた仏の油彩

パステルシャインアート
こちらのブログ主の方の作品です
ワークショップもされていますので
御興味を持たれた方は是非体験してみてはいかがでしょうか

めっさプリティな蓋物
レイアウトも良いですね

PC上でイラストレーターを駆使して描かれた和女性イラスト
ディスプレイ見ながらマウスで描くという所業がもう
私には到底無理・・・

そして最後に控えしは
「お客様休憩室の主」
虹 夢 吟 鮮 工 房の長、河野氏
会期中の二日間
河野氏が開発なされた豆乳ヨーグルトが
限定100食無料で振舞われました

以上19名の出品者の作品が
古民家の畳部屋にディスプレイされたのです
なんと言うカオス・・・


初日第一号のお客様
YO→1くんワールドで戯れる母と子
楽器は自由に触れる事が出来
YO→1くんとフリーセッションしまくれます
最も滞在時間の長い展示となっておりました
やはり音楽の求心力はハンパねぇと思いましたねぇ

会期中常駐できた作者達は自らの作品の説明に励み・・・
(左端がイラストの作者)

終了間際に親子四人が会場前で
今から入って良いものかと中を伺っていたのを見つけたので
「入れ入れウェルカムだ」
とオーバーアクションなジェスチャーで迎え入れる私

YO→1くんと散々ジャムり終了時間を大幅に超え
一日目が終了

な、何この背筋痛?
ただ立ってただけなのに・・・
日頃の運動不足と体力の衰えを痛感しつつ眠りについたのでした




翌二日目

生憎の雨模様
イベント最大の敵「悪天候」
にも拘らず10時になると続々とお客様が来始めます
一日目の午前に函館新聞の取材が入り
翌日の朝刊には「街なかアート彩」の記事が掲載されました
ナイス追い風です!

お客様より続々と差し入れや花を頂いたり
リピーターさんもいらっしゃったり
古民家の雰囲気を懐かしみに来られたり
セッションは更に参加人数を増やしエライ事になってたり
もう書ききれない程のミラクルなエピソードが続出


民族楽器のリズムに満たされた古民家の畳部屋
そんなカオスなバイブスに包まれる中
来場者に根付の解説をする私・・・なんだこれ(笑)
変な脳汁噴出しまくりです
 


お客様休憩室に設置された
「感想ノート」
次回の開催を期待されているコメントが
多数書き込まれておりました



既に近い将来取り壊しが予定されている古民家で
函館近郊のプロ、セミプロ、アマチュアの作家達の
熱い思いが滾った二日間でした

イベント終了後
会場内プチ打ち上げで語られた
「取り壊される前にもう一度・・・」
この言葉が現実となりますように



えー・・・ 
関係された全ての人に

めっさ楽しかったです !
有難う御座いました !!!