素材 : 人似茄子根塊、鹿角、黒水牛角
至水・道甫 根付彫刻2人展
FREESTYLE NETSUKE DUNGEON
出品作品其の伍
恋茄子
a.k.a
Amulet of Sprouting Mandragora
今回の二人展出品作品は
ここまでプレイヤーキャラクターとモンスターばかり彫って参りましたが
ファンタジーRPGには欠かせないアイテム装備品も必要ですよね?
そこでアミュレットな根付を製作しようと思い立ち
いつか使ってやろうと思っていたあの素材を投入する事にしたのです
しかしコレ出品作品中最も議論を巻き起こすであろう大問題作なのですよ
だって
ほぼ何もしていない根付なのダカラ
先ずは見ていただきましょうね(汗)
六面図
さぁコレ何処からツッコもうか(汗)
先ず素材に記載した「人似茄子根塊」という文字ね
この根付のメインの素材
実はマンドラゴラの根の塊(本物)なのです
マンドラゴラって根が人型になってて引っこ抜くと叫び声をあげ
それ聞いた人は死んじゃうってあのマンドラゴラねって御思いの方
いやマンドラゴラって植物は実在しておりまして
和名が「人似茄子」なのです
昨年のいつ頃だったか ebay で色々と見ていましたら
マンドラゴラの根が出品されているのを見つけまして
えーこんなん売ってるんだなんつって
ebay 内検索かけてみたら出るわ出るわ
乾燥させてチップにした物からブツ切りをグラム売りする物まで
なんですか?2017年今現在も魔女がいてですよ
ebay で魔術触媒としてのマンドラゴラの根を
落札購入されているんですかと
信じたくなるくらい普っ通ーに出品されていたのですよ
で、運悪く その時眠たかったんですよね 寝落ちしましてね
タブレット端末で見ながら寝落ちしてのタッチパネルの誤操作
(落札ボタン押しちゃった?)
気付いたら落札しちゃってたんですね
げに恐ろしきは睡魔とタブレット
結局送料含め日本円で数千円也
外国人相手にキャンセル交渉する気力もなく入金してしまい
いつかコレ根付の材料にしてやんだ!って・・・
こうなりました
根っこ到着まで待つ事2週間
実際届いた根の塊がですね
表面の皺、色、細根の切跡、どれをとっても思いの外
カッコイイ♪
自然が作り出した造形美とでも言いますか
神が与えたテクスチャに結構メロメロになってしまったのです
でも漢方っぽい香りが超くさい(涙)
二人展に来場されたお客様に出汁でそう言われたくらい香るのね
本体から分岐した根や突出した部分を落としながら
極力テクスチャを残すよう丸めに形成して行きまして
あとカラッカラに乾燥させた根ですので
部分的に脆くなっている所も見られたので其処も落としました
切削面と表面の色味を合わせるためヤシャ液を塗布浸潤させ
最終的に防水効果を狙った亜麻仁油の塗布乾燥を繰り返し仕上げています
そしてテクスチャ残せる限界まで丸くしてこのサイズ感
紐は下方の紐穴より通し裏面に抜ける
結び玉がスポッと収まるシンプルなやつで
逆方向から通せば文字通り首に提げられるアミュレットとして使えます
一度バラバラに切り刻まれたマンドラゴラの根は半無限休眠に入りやがるが
そこそこ Charm 効果のある
扱いやすいアミュレットとして重宝されるんだ
でも此処んとこよく見てくださいよ
目ぇ出てるでしょう
コイツぁ再萌芽してるレア中のレア
とんでもねぇクレイジーなモンスターが
どんなに抗おうったって装着者に Charm されちまう
まるで恋の病を患った乙女みたいなもんさ
今なら安くしとくよ
Amulet of Sprouting Mandragora
27,000 GOLD でどうだい
Netsuke のエクスプローラーさんよ
なんて売り込みは置いといて
根付「恋茄子」完成です
で、何が大問題作かと言う件ですけど
コレ殆ど何もしていないのですね
加工した所は
・丸めに切削
・紐穴形成
・目の象嵌×2
・銘を刻んだ鹿角パーツの象嵌
・ヤシャ塗布
・亜麻仁油仕上げ
うん
あとは素材のパワーでどうですかーって
そう言う根付なのです
大問題でしょ?
普通マンドラゴラの根カッコイイなぁなんて思ったら
柘植とか象牙とか使って本物と見紛うばかりの
写実なマンドラゴラ根付を彫るのが
根付のアプローチとして正常なのではないでしょうかね
でもこれ
RPGと古典根付のマッシュアップと言う今回の至水テーマから見れば
根付の始まり
腰から袋をぶら提げる際の留め具として
手頃なサイズに切っただけの鹿角の先に穴を開け
紐を通し根付の機能を持たせた鹿角の欠片
これも根付の歴史を辿れば確かに存在していた根付な訳で
この根付「恋茄子」を
根付として使える様に紐穴開けただけの
素材そのまま根付と見立てれば
マァァァァァッシュアァァァァァァッㇷ゚ッ!!!
したね?したよね?うん、したはず(涙)
あとは以前製作した 胡桃や桃種、ラドラクシャを使用した
「禍」シリーズの延長線上に位置する根付であるって事からも
マンドラゴラの根なんて怪しげな素材を手にしてしまった至水が
「恋茄子」を製作するのは必然であったと言えるのではないでしょうか
さて次は
二人展出品作6点中最後に製作した女性の根付
これもなかなかに複雑なの
続く
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