素材:鹿角、真鍮、黒水牛角
其々に名前が添えられた妖怪の姿が
まるで図鑑のように一妖ずつ描かれている松井文庫版「百鬼夜行絵巻」
wiki によりますとその冒頭には行灯を取り囲む人々が描かれているそうで
これってもしかして
丑三つ時
行灯の灯りを囲んだ人々が絵巻から一人一妖を其々選び
妖怪話を創作して聞かせ合う
というゲームブック「百鬼夜行絵巻」のチュートリアル
として描かれているんじゃないの?
とテンション爆上がり!
それならばと
至水は白うかりをチョイスして
チュートリアルに従い創作百鬼夜行絵巻夜話と共に
白うかりを根付化です
至水妄想奇譚
百鬼夜行絵巻夜話 其ノ一
「Ukkari beach in 2022 summer」
某都立高校に通う二人のJK
白井ユカリ と 乙路シオリ
「感染症対策です!」と真面目に自粛を続け
中3高1と二度も棒に振った夏の青春を今年こそは満喫する
そう誓い新調した真白なビキニは
海開きに間に合わせるべく
チーフに無理言ってバイトのシフトを倍にしてもらい
突貫貯金で購入した Sa-Recovwe 2022年夏の新作だ
下北沢駅南口前
ユカリ「ごめんっ!」
ユカリ「家出る時玄関にスマホ忘れて取りに戻ったw」
シオリ「ずっと着拒だしさーLINEくらい返せんじゃん」
「もー何してんのよー」
ユカリ「うっかり八兵衛です」
シオリ「何それーwww」
ユカリ「水戸こーもん知らないのー?」
シオリ「知らんしーウケる―www」
ユカリ「いや」
「実はさ…」
一週間前
夜入浴中
週末に敢行する江の島海水浴場日帰りJK二人旅に備え
自粛期間中は御座なりにしていたムダ毛処理は念入りにと
脛を剃り終え次は脇
バスミラーに向かい肘を上げ
湯気の曇りを拭うと何やら隅に消えない靄が残る
良く見るとそれは湯気の曇りではなく
脇越しに映り込んだ白い…人影?
とっさに振り向くが何もなく
何だ気のせいかとシェーバーを置きシャワーを浴びてバスルームを出た
翌日
夜入浴中
今年の夏は入浴時のムダ毛処理をルーティーン化します!と意気込んで
今日もまた脛を剃り終え次は脇
バスミラーの曇りを拭い肘を上げると其処には未処理の剛毛
そうだ結局昨日は剃らずじまいだったのかと気付かされると同時に
昨日同様隅に残る消えない靄が
いやそれはやはり靄ではなく脇越しに写り込んだ白い…人影?
良く見るとそれは明らかに人影で
動いた
すぐさま振り向くが何もなく
やはり気のせいかとシェーバーを置きシャワーを浴びてバスルームを出た
バスミラーに写り込む白い人影現象は週末まで続いたが
深く考えないのがユカリの良い所
遂に江の島海水浴場日帰りJK二人旅当日の朝
出かける準備は万端で
家からビーサンつっかけて行くもんねと気合いれ
さあ最終チェックと玄関の姿見に向くと肩越しに映る白い人影?
いや
人ではない
頭頂部に突起を残し水平に削ぎ落されたような頭
赤らんだ目元いっぱいに見開かれた鈍く光る黄金の目
鼠のような髭と口角から漏れる牙…
白い異形の姿がはっきりと見え
目が合った
さすがに悪寒が全身を巡り手にしたスマホを落としてしまい
振り向けば何かとんでもない事が起きる気がして目を逸らせない
すると白い何かは にこり と口角を上げ すっ と消えた
いってきまーす!
咄嗟に全て忘れる勢いの大声で家を飛び出し最寄り駅
スマホが無い事に気付いたのは改札前で
いやだなーこわいなー
と、それでも急ぎ家に戻る事に
家に着き恐る恐る玄関のドアをそーっと開けると
やはり落としたスマホが見えた
ドアの隙間手を伸ばし
拾った瞬間再びダッシュで駅へと向かい
電車に飛び乗ったが既に予定より40分遅れで
這う這うの体で下北沢駅に着き
待ち合わせ場所の南口前にある…
ユカリ「…こいぬの木が見えてホッとしたのホントごめんねー」
江の島までの道すがら延々と聞かされた
この一週間に起きた「怪奇白いバケモノの恐怖」は
ビーチの貸更衣室で漸く終劇を迎えた
シオリは遅刻の言い訳にしては盛りすぎだと呆れ顔で聞き流し
水着に着替えた二人がビーチに飛び出すと
ギラギラと照りつける太陽光に思わず
きーもちいーねー♪
と両手を広げ伸びをしたユカリの脇にサラサラと潮風にそよぐ剛毛
剛毛っ?
脳内にこの一週間続いたバスルームの出来事が高速でフラッシュバックする
ユカリ「ヤッバ…結局ワキ…処理してなかったん?…だ」
ゆっくりと両腕を下ろすユカリの頬に汗が伝う
太陽が熱いからではない
冷や汗である
シオリ「このあとどーすんのよコレうっかり八兵衛ぇ…」
バイブス爆下がりな二人の後方少し離れたビーチパラソルの下で
両脇から顔をのぞかせる茜色の剛毛を靡かせながら
白うかりは静かな笑顔でユカリの夏を見守っていた
終
自粛自粛のコロナ禍に奪われた青春を取り戻そうと魂燃やすJKの物語ですよ
で白うかりって何なのよ?目的は?って言われても
「そうしたかったから」
なのかなぁ…
それが妖怪なのではないのかなっ
では白うかり彫りますね
六面図
細マッチョにしちゃったよね
両脇から顔をのぞかせる茜色の剛毛を靡かせながらサラサラ~
あーバックショットカッコいい
関節曲がってはいけない方に曲がってるけど
脱臼じゃないと思う
くわーっ
頭頂部の突起でツボ押し出来ます実用的!
物語の終盤ビーチパラソルの下にいたのは
白い肌を日に焼きたくなかったかららしい
今回全然自立しないので
というか端から自立させる気が無かったので台座も製作
台座にある支持突起を
頭に近い方の紐穴に嵌めるようにすると
根付で使用した際の正位置を取る
根付ポジション
足に近い方の紐穴に嵌めるようにすると
提げで使用した際の見え方
提げポジション
で二通りの設置が出来ます
至水は紐穴に根付紐の結玉がすっぽり収まる仕様が好きなのだけど
色々考え水平二連同径紐穴解禁
これはこれでまた良いなと思いました
印籠サイズの小ぶりな提物向けです
こんな感じで提げとしてもいけます
根付袋は妖怪札の白地バージョンを縫い縫い
サイズはこんな感じで小ぶり
コロナ禍に翻弄されたJK達をそっと見守る
根付「白うかり」完成です
「百鬼夜行絵巻」はゲームブック
って考えると
描かれている順番に割り当てられた妖怪話をしていったり
回り順番に好きな妖怪、話を作りやすそうな妖怪とか好みで選んで
えー「あすこここ」しか残ってねーじゃーん!とか
色んなローカルルールがあったんじゃね?とかとか
もうワクワクが止まらなくなったので
このフォーマットで松井文庫版「百鬼夜行絵巻」を根付化したい
百鬼夜行絵巻夜話はシリーズ化決定です
もう其ノ一って書いちゃってるし
皆も「百鬼夜行絵巻」で妖怪百物語やってみて!
最期に灯りを吹き消して
何かが見えたら…
にがわらい
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