素材 : 鹿角
ぬっぺっぽう奇譚
顔体手足五体全てが常に不定形で不安定な彷徨う肉塊
雑踏を歩いても誰一人からも気取られる事はありません
何モノでもなさ過ぎるが故に物体として捉えられず
人間は彼の存在を認識把握出来ないのです
誰も自分に気付いてくれない
誰かと会話を楽しむ事も叶いません
ぬっぺっぽうにとって人間は
表情豊かに生を謳歌する羨むべき存在でした
人間に似せようと笑ってみたり眉を顰めてみたり
幾らやっても表情を変える事が出来ません
そもそも顔が無いのですから
そうだ先ずは顔が欲しい
喜怒哀楽を手に入れたい
そんな思いから色々な表情の面を蒐める為
ぬっぺっぽうは今も彷徨い歩いているのだとか
・・・・・・・・・・
なんて悲しいお話を背負わせてしまいました
ごめんねぬっぺっぽう(涙)
でも幾ら面を装着しても君は気付かれない
だってそういうアヤカシなのだから
あぁ泣いちゃう
じゃぁ彫るね
面打師の工房から面を頂戴し
ガラッと引き戸を開け外へ出て行くところです
不安定で不定形なぬっぺっぽうなので
下絵もなく彫り進めながら色々勢いで決まって行きます
人間には存在を認識されていないのですが
罪の意識からか頂戴した面は後ろ手に隠しちゃってます
だいじょぶ!誰も気付いていないよ!!!
ブヨブヨの肉塊造形は至水の大好物♪
やっぱり妖怪は彫ってて楽しいよねー
次は
う 鱗モノですよ(汗)
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