2015/06/29

Small articles : No.024

提げ 『
素材 : 胡桃、象牙、黒檀

折角王道の白根付師である加賀美さんと御一緒させて頂くのだから
思いっきり黒い方向に振り切ったモノをと 
妄想してみます・・・・ 

現世に存在する草樹 植物達は
日々大気中を漂う悪気邪念を取り込み 
地表に舞い落ち土中に浸積する邪気を吸い上げ 
蓄積浄化する役割を果たしていますが 
太平が乱れ邪な気運が世に溢れ続けると 
終には浄化の限界に達し樹内飽和を引き起こします 

飽和した邪気は開花の際に再び大気中に拡散し循環されます 
邪気蓄積浄化能力の高い笹や仙人掌等が開花してしまう場合 
深刻な邪気汚染が進んでいると考えられるでしょう 

それでも開花循環によりゆっくりとゆっくりと浄化は進みますが 
ごく稀に邪気を含んだ果実が結実してしまう事があります 

その果実が内包する種子は
災いを孕んだ禍の種子なのです 

決して芽吹かせてはいけない
最凶最悪な災いの果実を撓わに実らせる 
禍の樹に育つのだから 

そんな禍の種子「禍(マガ)」を彫りますよ


六面図 
胡桃の表面に薄っすら見える 
編み目模様のテクスチャを強調彫りしたり 
有機的なディテールを彫り込んだり 
開眼させたり・・・ 
何かもー没頭しちゃってキリが無くなってきます
「禍」の黒い呪力の仕業かも・・・


色んな角度で禍の種子を観察して見よう 
ゲッ!目が合った 
気色悪っ 


サイズはこんな 
まぁ 
胡桃の大きさですわね 


提げるとこんな感じです 


決して芽吹かせてはいけない禍の種子 
提げ「禍」完成です

次の胡桃ものに続きます♪



根付 其ノ陸拾伍


素材 :鹿角、鯨歯

当初は「白坊主」として製作をスタートしたのですが
丁度のっぺらぼうな顔の部分が 
鹿角から頭骨に移行していく部位で結構粗く
白坊主なのに真っ白にはならんなという事で
製作途中で色々と設定追加変更して 
完成まで辿りついたのが
この「貉(ムジナ)」なのでした


鹿角です 


六面図

  
彫っている最中 
腰を捻り括れを付けていくと 
結構な量の髄が顔を出して来ましたので 
カバーすべく鯨歯製の「酒入り瓢箪」を嵌める事にしました 
その段階で 
「この貉は酔っぱらって人を驚かそうとした」
という新たな設定が乗っかります 


酔っているせいで完全な変化が出来ていない 
「左手は貉のままだし尻尾が出ちゃってるよ」 
という設定が更に乗っかります 


うふふと笑う 
aka白坊主さん 
「酔っているせいで完全な変化が出来ていない」
という設定を利用し 
胸の髄露出部分を削り込み此処を紐穴にすると 
紐の結び玉の端を毛羽立たせ紐穴に納めれば 
御確認頂けるだろうか 
「胸毛の如き貉毛がハミ毛って見える!」 
というギミックが追加されます


てな具合で製作途中に 
どんどん新たな設定を乗っけられた貉さん 


以前は鹿角の髄が嫌で嫌で仕方が無かった至水ですが 
今はもう気にならなくなってしまったと言うか 
逆に景色として楽しめるようになってしまったと言うか 
「もっと素材選びに気を遣え」
なんてお声も聞こえてきそうですが 
(いや聞こえる)
妖怪や闇の眷属達の素材には最良のテクスチャだなと
逆に気に入ってしまって・・・ 


サイズはこんな 


酔っ払った勢いでニンゲン驚かして うふふふ 
根付「貉」完成です 

御注文品では無理ですが 
今回の二人展のように好き勝手製作出来る場合
  
下絵もモックも無しで勢いエイヤッと彫り進めちゃうと 
新たな設定やギミックがどんどん追加され 
結果凄くイイ! 
って事が多かったりもするのですよねぇ♪ 


Small articles : No.023

提げ 『送狼
素材 : 象牙、真鍮、黒檀

完全なる昇華を迎えるべく 
製作を決定したアイツ 

でかい目玉のネズミっぽいアイツ

暁斎百鬼画談には勿論研究書等にも
決定的な
「コレはアノ妖怪ダ!」 
という記述を見つけられず 

困った時の
オオカミと記されているだけ 
モノノケとしての獣「狼」もあるでしょうけど・・・

ここでハッと思い出した

送狼!

竜斎閑人正澄画『狂歌百物語』中の送狼 

いいねいいね♪
もう送狼にしか見えなくなってきたよ 

何せ初めはネズミ絡みの何者かかと思っていたのだから 
最高の解ですよ 

もーチミは送狼に決定! 

という事で送狼彫るよ♪


ぬらりひょん、幽谷響に合わせて象牙使ってます 
画像は一度ヤシャで染めた状態 


四面図 


小っさいよ 


幽谷響同様 
細長い手足は提げとして使用した際に 
破損のリスクが高くなるので 
キュッと纏めちゃってます 


暁斎百鬼画談では顔の左側面しか確認出来ません 
反対側の目は勝手に普通サイズにアレンジしちゃいます 
こーいうのが凄い楽しーの♪ 


提げるとこんな感じ 


もー私には送狼にしか見えないの 
提げ「送狼」完成です 

せっかく暁斎百鬼画談のぬらりひょんの場面 
三体を全て立体化したのに 
ぬらりひょんと幽谷響を先にGalleryに発送してしまって 
三体並んだ画像が無いという大失態(泣) 

それでもしっかり 
至水の行き場の無い怒りは昇華されました♪ 
楽しかったです 
ありがとうございました!





PS
暁斎様は草葉の陰でウププと笑っておられるかもしれませんね 
「アレ送狼じゃないのに」・・・と