素材:鹿角、黒檀
早速御覧あれ~(涙)
今回は彫りの途中で濃縮ヤシャ液を塗り塗りし
刃傷やディテールの確認をしながら作業を進めてみました
陰影がつき形が把握しやすいので安心感が増します
白一色だと造形迷子に陥ったりするのですよ
六面図
根付全体のフォルムを三日月状に反らせたかったので
行列の後方にいるキャラクタは別造して接いでいます
結構邪道な事してますです
では行列に参加している化物の皆様を御紹介致しましょう
先ず行列を先導するのは露払い鬼
「鬼龍院 爲右エ門」
(きりゅういん ためえもん)
遥か昔
嫉妬の呪により鬼の子を身篭った豪族の娘の末裔五十代目
子々孫々鬼の血は鬼龍院家の長兄に巨大な体躯と剛力を与え
化物相撲では負け知らず
名主の家の婚礼行列には露払いとして引っ張り凧なのです
露払い鬼の足元を照らすのは化提灯
「一」
(ひぃ)
婚礼行列には縁起が良いとされる
八本の化提灯を帯同するのが習わしとなっています
因みに八本目の名は「八」(やぁ)
そして行列の主役である初々しい化物花嫁
「千穀谷 白菊」
(せんごくや しらぎく)
通称「お菊ちゃん」
先天性の病「ねぶとり症候群」を患っており
気を抜くと「妖怪ねぶとり」の如く体が瞬時に肥大化してしまいます
普段は体の形状を維持する為に拘束着を着込んでいるのですが
今日は待ちに待った嫁入りの日
花嫁衣裳で駕籠に乗り込むや否や緊張の糸が解れて
ミッチミチに肥大化しちゃった♪
うふふふふ
首が長ーい駕籠かきの先棒
「抜首 轆朗」
(ぬけくび ろくろう)
抜け首の血を受け継ぐ一族の出で
博打好きが高じて勘当されたという
正に「雲助」である
なんとなく辺りの風景が変だぞと
最初に気付いたのは轆朗である
駕籠かきの後棒はハイブリッドキメラコンビ
「蛙池 田三」 と 「獅子頭 獣三」
(かわずいけ でんぞう) (ししがしら じゅうぞう)
異母兄弟であったが力仕事に有利な体を得る為
増体組織融合術を受けツインヘッドツインズと成った
実は田三
へタレでサボり癖のある獣三に対する鬱憤が溜まる一方で
融合術を受けた事を後悔しているのだ
花嫁を呑み込んだ乗せた化駕籠
「朧眼號」
(おぼろめごう)
化生き人形師が酔狂で拵えた只の駕籠の筈であったが
いつもの癖で魂入れをしてしまったため化駕籠化してしまい・・・
普段は裏の一つ目面の様に蠢いているものの
「中から簾窓を開けられる」等
駕籠としての機能を働かされてしまうと
表の二つ目面の様に固まってしまいます
縁起が良いという事で必ず婚礼行列に呼ばれる鶴亀夫妻
「千歳矢 鶴奴」 と 「万屋 亀乃丞」
(ちとせや つるやっこ) (よろずや かめのじょう)
別姓を名乗っているがこれは芸名
鶴奴は化物界一の人気芸者であり
亀乃丞は化物界一の人気舞台役者である
そして化物界随一のおしどり夫婦と評判なのである
千穀谷の家に長いこと仕えている使用人
「捨助」
(すてすけ)
身寄りは無く秀でた能力も無い最下層化物ではあるが
箱入り娘の世話役として
赤子の頃より見守り続けて来た
お菊ちゃんの嫁入りを我が事の様に喜び
人目も憚らず感涙するというナイスなエピソードを残す
当然嫁入り道具を担ぐのは
「あっしの仕事でさぁ」
でまた涙がポロリ
そして最後に
おや?
婚礼行列を追いかけてくる赤いヤツが・・・
コイツは揃いの緒締なヤーツ
果たして一体何者なのか?
それは次の投稿で明らかになるのであった
今回の「化物」とは?
立ち位置としては
立ち位置としては
何か特定の「妖怪」というものではなく
特異な能力を得た人種、亜人種、デミヒューマン的な
「ヒト」側から見れば所謂「化物」な風体の者達としてみました
人間界との接触は極力避け
彼等は彼等のコミューンを形成し生活しています
という設定です
人間界との接触は極力避け
彼等は彼等のコミューンを形成し生活しています
という設定です
婚礼行列後方の足元には
はらりと開いた絵巻物が・・・
「化物婚礼絵巻」の中では新郎邸に向かっていた行列が
何故かドロドロと現世に抜け出して来てしまったの?
という意匠なのでした
で爲右エ門や轆朗は「おや?」という表情をしているのですね
過去製作した中で最も巨大
最長の根付になりました
なもんで
化駕籠の裏にある一つ目面の口から
二本まとめて紐を出せるのですが
これだけ長い根付を一点で支えるとなると
絶対にぐらついて正位置を保てないので
図の様にニ箇所から紐を出せるようにしています
これで装着した際に水平を保てる様になりました
勿論実用を大前提として製作しております
根付だもの
ダメ押しで残りの色んなショットおかわり召し上がれ♪
製作着手してから足掛け七ヶ月(涙)
根付「 化物婚礼絵巻 婚礼行列図 」完成です
流石に七ヶ月もかけちゃうとですね
俺設定も熟々に熟して詰め込みまくり
いっぱいいっぱい書いちゃいますよねー
よし
次は締めくくり
揃いの緒締の投稿
で大団円を迎えよう!
続く
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