2014/12/20

根付 其ノ肆拾玖

『晦蕎麦』
素材 :鹿角、黒檀

これは・・・
もう懐かしさすら覚え・・・ますね

九月の終わり頃には完成し納品も済んでいたのですが
今月色々と確定し公開する事と相成りました
で、製作順のナンバリングも前後しちゃってます

ちょうど「夏猫」を彫ってる時
ふっと頭に浮かんだ
「二人羽織で蕎麦をたぐってる手長足長」
根付のネタは大体がこんな感じで降って来るもので
イメージを膨らませてこんな妄想を・・・


大晦日
二人羽織でつごもりそばを食べようと言い出す手長に
「それは面白い」と乗り気の足長
早速両目を瞑り蕎麦をたぐりだした手長だったが
勘が悪いのか一向に足長の口に入らない?
それもそのはず
いたずらな手長は片方の目をしっかり開き
足長の鼻めがけて蕎麦を運んでいたのだ!


では、彫りましょ
鹿角です
モック無しの勢いで彫り進め・・・
つじつま合わせのスリルが味わえます(汗)


六面図
今回の染めは濃い目です


背面
アンティークっぽいという寸評を頂いたそうで
古根付の皮を被ったコンテンポラリー・・・です!
なんて言ってみたり
(超後付けっぺー?)


悪意しかない無邪気な手長
イジラレまくる純粋朴訥な足長


サイズはこんな
長めでしょ?
手長足長 + 長~いお蕎麦の長い根付
「長い」繋がりで長寿祈願の隠喩も盛り込んじゃうよ!


ん?
隣の小っさいの・・・何だチミは?
コレ、手長足長に合わせた緒締のタコさんなのです


これからの年越し時期にぴったりな
根付「晦蕎麦」完成です

手長足長さんは京都清宗根付館収蔵となりました
年明けに展示される・・・かも?かな?


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