根付 其ノ肆拾漆

『玄武門』
素材 ：鹿角、黒檀、珊瑚、真鍮

帝の御下命により
名立たる陰陽師が召集された

都の東西南北に門を建て

四神による四方結界を張り邪鬼を払う術式を施す為である

完成した四対の門は

凡そ帝都の面門には似つかわしくない

一見粗野な木組みの作りではあるが

門の形を模した神憑きの破邪像なのダ！

という事で

北の守護神「玄武」の御注文を頂きまして

意匠のリクエストでポイントとなる

玄武門を突破しようとしている邪鬼と

裏には何故か門のすり抜けに成功した邪鬼を配置する

を、盛り込みモックを製作します

はいコレ

ざっくりモックなので裏は作り込んでいませんが

もう一体邪鬼を配置します

彫り完了間近

鹿角です

六面図

モックと比べて邪鬼達が巨大化してしまい進撃の邪鬼状態！

今の私のスキルでは

彫刻で表情を出すにはこのサイズが限界でした

おかげで門が隠れ気味に・・・

好みが分かれると思いますが

最近の至水は鹿角の髄が表面に出るのを

殆ど気にしなくなってしまっているのですね

あと玄武の腕と脚に見える色濃い部分は

鹿角の表皮を残しています

「鹿角使ってますよ～～～！」

という主張という事で

玄武の相棒である蛇の眼には赤珊瑚を象嵌

アルビノですよ

そうそう今回の影の主役とも言える

三体の邪鬼達を紹介せねば

先ずは

強欲鬼

Gou Yoku Ki

ヒトの五欲を貪り肥え続ける大餓鬼

玄武に摘み上げられたこの直後

全力で遠投され昼空の星となりましたキラリ

因みに邪鬼達には門しか見えておりません

玄武はステルス仕様なのです

一眼坊

Ｈitotsu Me Ｂou

「おでの趣味？破壊♪」

剛力を持て余し暴れ狂う荒ぶる妖魔

いきなり宙に浮いた強欲鬼を見上げると同時に

腹の下をぬちゃりと撫でる感触が・・・

瞬間白蛇に一呑みされる一眼坊なのでした合掌

睨鬼

Nirami Oni

見えないモノを見る瞳「金剛眼」を持つ瞳術鬼

金剛瞳術千里眼を発動し玄武のディフェンスを掻い潜り

まんまと門の向こうへ出た睨鬼

眼前に広がる広大な都の雑踏を一望するも

背面守護の要である白蛇の腹に触れてしまい・・・

サイズはこのくらい

大きめの50mm弱

万が一の保険（白蛇）付き鉄壁の守護神

根付「玄武門」完成です

と

ここまで書きなぐった事はすっかり忘れて

皆其々の「玄武と邪鬼の物語」を妄想してみて下さいね♪

それも根付の楽しみです