『分福茶釜 扇子ハ・・・何処ヘ・・・』
素材 : 鹿角、水牛角、赤珊瑚
- 茂林寺の釜 外伝 -
応永八年、上野国に茂吉という小作人がおりました。
ある日茂林寺の分福茶釜の噂を耳にした茂吉は
村外れの打ち捨てられた古寺に住み着く化け狸を言い包め
分福茶釜ばりの見世物をさせ一儲けしようと目論見ます。
ところがこの化け狸、齢五百にして茶釜に化ける事が出来ず
致し方なく茶釜を背負わせ綱渡りをさせる事と相成ります。
早速大勢の村人を呼び集め木戸銭もたんまり懐に
いざ初舞台
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?
村人達がざわめき始め茂吉の額に冷汗が噴出します。
化け狸がなかなか舞台に姿を見せません。
舞台裏では脂汗を滴らせる化け狸。
頭上には茶釜の蓋が乗っています。
綱渡りで使う小道具の扇子の在り処を思い出せないのです。
何処かに置き忘れた?
扇子は「其処」に収まっているのですが・・・
という俺話を妄想し制作スタート
今回の鹿角
鬆の状況が読めないので
クラウン辺りを大きめに切り出しました
ザックザック彫る
ざっくざっく鬆が出てきますなぁ
丸彫りのつもりが・・・
茶釜が別パーツになっちゃってますよ?
染め、眼の象嵌を済ませ
全パーツ揃いました図
接着中
組み上げ完了
六面図
今回は夜叉で染めてます
柿渋よりも利点多しと感じました
色の浸透塩梅とか、細部への色の廻り易さとか
なにより臭くない!
柿渋は臭いのです ・・・
サイズはこんなんです
「 扇子は ・・・ 何処へ ・・・?」
「 扇子は ・・・ 此処に ・・・」
という事で
『 分福茶釜 』 の完成で御座います
さて、次は 「 羅生門 ORIGIN 」 彫りますデス!
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