素材:エルフォリン、黒水牛角
半年ぶりくらいの更新ですか?…
介護離職的状況に日々忙殺される至水ですお久しぶりです
それでもちまちまちまちまちまちま進めていた根付
どうにか完成しまして公開です
至水妄想奇譚
「回心ノ一撃」
私の両親の家には神棚がある
萎れたヒバを交換し
「米」「塩」「水」と「カップ酒」を供え蝋燭に火を灯すと
やけに畏まった二拝二拍手一拝で締めくくる
これが毎月1日の朝に行われる父の神棚お参りルーティン
お参りの作法なぞ全くもってなっちゃいないのだけれど
50数年前に父が実家の精肉店から独立し
新たに鮮魚販売業を始めた際に購入したもので
部屋の天井近くから
我々家族の諸々を日々眺め続けてきた古い神棚なのだ
しかし思い返すと
「神棚がある」が当たり前の家で育ったにも関わらず
私は家の神棚をお参りした事がない
そのくらいの信心の無さで
神仏を否定する訳ではないものの
妻の実家に神棚は無かったと言うし
友人に聞いても家には無かったという者が少なくないので
隣でやけに畏まった二拝二拍手一拝を終えたばかりの父に
何故家に神棚を祀ろうと思ったのかを尋ねてみると
えっ?と短く考え出てきた答えは
祖父の経営する精肉店兼住居にも神棚があったから…という
商売を営む家に神棚は付き物なのだろうなと
なんとなく腑に落とし改めて家の神棚を眺めていると
ふと中央に設置された神鏡の違和感に気付く
幼い頃に「神様の鏡をピカピカにしよう」と力いっぱい磨いた結果
鏡面のメッキが傷付き曇り
何も映らない丸い鋳物板にしてしまった筈の神鏡に
私の顔が映り込んでいる…
いや
いやいやいや…
私の顔ではない
私の顔ではない鏡の顔はニタリと笑顔を歪ませながら
神鏡の裏から生え出た人の形をした何かが
二本の腕で神鏡の側面を鷲掴むとやおら台座から立ち上がり
神棚の奥に納められた お神札に振り返った一瞬
人の形の背中に纏わりついた長い毛髪の下から
乱雑に垂れ下がる紙垂が見えた
どうやら八百万の一柱には違いないらしい
しかし歳神様の様な威厳も
恵比寿様や大黒様の様な馴染みも全くない姿
これは何かしらの彷徨神が家の神棚の神鏡に憑いてしまったのだろうか…
等とこの不可思議な状況に考察を巡らすうち
神棚の中をひとしきり散策なされた鏡の顔の神様は
神鏡の台座の上にドッカと腰を下ろすと
お供えの塩と米粒を肴にカップ酒を啜り始めた
これから先この鏡の顔の神様をお祀りする事になるのか…?
するとほろ酔いの鏡の顔の神様は私を見下ろし
こ ん ご と も よ ろ し く ・・・
と 軽く会釈した
どうやら隣にいる父には鏡の顔の神様が見えていないようだが
実体を持った神からの挨拶は私の信心を芽吹かせる会心の一撃となり
神棚に向かい思わず人生初の二拝二拍手一拝を披露する
そんな私の姿を目の当たりにして
父の目が点になっていた…
終
※作中に記された各名称は実在するものと一切関わりは無く
史実もまた異相な平行世界の物語です
という事でですね
神にも縋りたくなる気持ち
なんだかコロナ騒動以降ずっとそんな感じかも
鏡の顔の神様の顕現はどうか吉兆でありますようにと願いつつ
こんな感じです
六面図
何も映らない筈の神鏡に映った顔はぐにぐにと蠢きながら
立体になったり鏡面に溶け込んでいったり
今回の素材はエルフォリン
根付の素材として全然アリ
ありありのアリだと思うのです
なんとなく今だ手探り状態ですが
エルフォリンについての雑感とか
改めて投稿したいと思ってます
カガミガミ様…
回心 ♡
身体から湧き出し垂れさがる幾つもの紙垂は八百万の証
元々「何か」の神だった彷徨神は物憑きが叶うと神替わりし
実体を伴った八百万と成る
そんなお話
創作ですよ妄想です
今回は珍しく染めは無し
瞳の光彩のとこに墨入れしたのみ
(こんな染めないの初めてかも)
地色がアイボリーのエルフォリンを使用しているので
「乳白色」ミルキーな色味になっています
フグリは良い…
根付彫刻家の中でこんな沢山キャンタマ彫ってる人いないのではないか
という自負
玉自負
紐通しはこんな感じ結玉スッポリタイプ
このくらいのサイズ感
いい感じに酔いが回りはじめた鏡の顔の神様♪
根付「カガミガミ」完成です
あれです
メガテン、女神転生シリーズはね
1作目の「デジタル・デビル物語 女神転生」
その次に「真・女神転生」
ゲームギアで「女神転生外伝 ラストバイブル」
DSで「真・女神転生 STRANGE JOURNEY」
の4作品弄ってるんだけど
毎回毎回
悪魔合体の組み合わせを全て試したくなっちゃって
悪魔合体ばかりやっちゃって
全然先に進めなくなっちゃって
結局ひとつもクリアしていないという…
こ ん ご と も よ ろ し く ・・・