2023/10/10

根付 其ノ佰捌拾伍

『 火立鬼 』
素材:鹿角、黒檀、ピンクアイボリー、アジアンリース



これを彫ろうって決める時は
理由とか都合とか
色々こう…
あるんですね
「今なら彫れる」とか
「今やっとかないと」とかねぇ

いや
とりとめのない話です
すみません

新作御紹介しましょうね





至水妄想奇譚

「火立てのおつとめ」

とある地方都市の県境山間部
住民の老齢化が加速し超限界集落となった里山の風景に
到底不似合いな中規模医療施設が建造され5年が経つ

その医療施設は対象とする患者を後期高齢者に限定した
緩和ケア病床80床を含む総病床数360の完全独立型ホスピスで
開業から今日まで沢山の人生を看取って来た

過ぎた核家族化の行きつく先か殆どの患者に身寄りなく
行旅病人及行旅死亡人取扱法に則り市の担当執行員へ引き渡された亡骸は
いつものように
人生の最後に行使出来る権利として全てが丁重に荼毘に付される

緩和ケア病棟地下一階にある霊安室の奥に備えられた祭壇は
線香の燃え残りが埋まったままの香炉と
その両側に火立てが置かれただけの簡素なものだが
遺族が訪れる事のない霊安室には十分な祭壇なのだろう

しかし葬送の在り方良し悪しをどう感じようとも
人間の心情都合に一切係わらず
数多くの魂の消失を見届けてきた小さな空間は
この世の理から外れた何かを引き寄せてしまう

ある日の深夜
人の気配が消えた緩和ケア病棟地下一階
霊安室の奥にある祭壇の上で
不意に火立ての一つがカタカタと音を立て震え傾き落下した

床に弾けた火立ての皿からは溶け固まり堆積した蝋が剥がれ飛び散り
蝋燭の燃えさしが床を転がる
その傍らでは火立てが引き攣り蠢きながら徐々に人の形を成していき
両の手足が生え揃うまでものの数分
慣れた仕草で起き上がると
燃えさしを抱え祭壇をよじ登り香炉の後ろに見つけたマッチを一擦り
いつものように
火を灯した燃えさしを頭の上に乗せ
自らの役目を全うするため霊安室を抜け出した火立ては
非常灯の明かりだけの暗がりに小さな蝋燭の焔を揺らしながら
三階の病室を目指し階段を登っていく

緩和ケア病棟三階303号室
細く細い三日月の明り射す個室のベッドの上には
薄暗い天井を見つめる老婆が一人

「こんな夜中に目が覚めるなんて…」

ここに転院して二年の間
モルヒネのぼんやりした視界で見慣れた風景が
今はやけにハッキリと鮮やかに見えている
起き上がる事は出来ないが身体も軽く気分が良い
頭の中の靄もすっかり晴れ
昔の事を色々と色々と振り返り思い出す

辛い事が多い人生だった筈だけれど
思い出すのは楽しかった事や嬉しかった事ばかりで
思わず顔がほころんだ

ふと何か気配を感じた老婆は頭を横にすると
燃え尽きそうな蝋燭の焔を頭に乗せこちらを見つめる火立てと目が合い
何かを察した

「こんな走馬灯なら悪くないわねぇ」

ふふっと笑い
ゆっくりと目を閉じる老婆の耳元で
ジジッと蝋燭が燃え尽きる音がした

翌日早朝
303号室を訪れた看護師は
穏やかな微笑みを湛え眠る老婆と
枕元に転がる火立てを見つけ
いつものように
病室を飛び出し担当医の元へ走った

いつものように








※作中に記された各名称は実在するものと一切関わりは無く
史実もまた異相な平行世界の物語です





という事でですね
此奴を彫ろうって決めたのが
鹿角の表皮テクスチャを出来る限り残して
つまり工数減らして低価格でリリースしよう
ってのが動機だったのですが

結局いつものように
い・つ・も・の・よ・う・に
色々手を加えちゃって…

こんなです





六面図





「火立鬼は火立ての付喪神!」
という事で創作妖怪なのですが…
火立て(ひたて)は仏壇などに置かれる燭台
蝋燭立てなのだけれどまぁ原型留めてないですね
蝋燭を乗せるものという概念が残るのみです





鹿角のテクスチャに色々なイメージが湧き上がるよう
意図して右半身は極力彫らず
溶けた蝋燭がボタボタ落ち固まった様子
とか
蝋燭の明かりで暗がりの壁に映し出される火立鬼のシルエット
とか
焔で焦げた香り
とかとか
見えて来い見えて来い
見えて来てほしい





当初蝋燭の「焔」は房状にした根付紐で表現しようとしてました
しかしコレがなんとも纏まらなく
根付「びしゃがつく」の時も口から吐き出す液体を
同様に根付紐で表現しましたが
あれは装身時にどこかに触れたりしてどう形が変わろうが
「不定形の液体」に見えてくれるので良かったのだけれど
蝋燭の焔は焔感のある形ってのはあるから
その形状を維持出来ないのであれば…
という事でボツにしまして

蝋燭の燃えさし型紐留め具に
「黒く焦げた蝋燭の芯(×3)」と「焔」を制作

装身時の焔は切り捨てましたので
解れ止めの加工をしたアジアンリース製のパーツ
「黒く焦げた蝋燭の芯」を嵌めて
蝋燭の燃えさしを頭に乗せた火立鬼状態で使っていただこうと
※差し替えパーツなので装身時に外れ紛失した場合を想定し
予備を含め3本付属してます

とは言えやはり火を灯した状態も欲しいので
ディスプレイ用と割り切った
ピンクアイボリー製の差し替えパーツを制作
蝋燭の焔は「ゆら~っ」とした感じを出したかったので
外炎の先っぽをほっそほそに成形して
こんなの装身時に絶対折れちゃうから
あ・く・ま・で
ディスプレイ用です
そんな仕様です





という事で焔パーツを装着してこんな
ディスプレイモードの火立鬼
マッチの燃えがら持ってますね





とろっとした背中
尻をかく火立鬼





蝋燭の燃えさし型紐留め具に根付紐を通し
パイルダーオンな紐通しです





サイズはこんな
そこそこ縦長ボリューミー





あなたの人生看取ります
根付「火立鬼」完成です

そうそう火立鬼の役目ってなんだろうって話
「命の焔が燃え尽きる」とか
「命の蝋燭の火が消える」とか
蝋燭や焔が人の命のメタファーになっていたりしますけども
とある人間に残された僅かな余命と
火立てに乗った燃えさしが燃え尽きるまでの時間が等しく重なった瞬間
蝋燭の焔として可視化される死期をその人間に伝え最後を共にする
という役目を持ち覚醒する付喪神が火立鬼なのです
という創作です

人間死ぬ時は一人と言いますけど
たとえ看取ってくれる身内が居らずとも
楽しい記憶ばかりが映し出される走馬灯を観ながら
傍でその瞬間を共にする「何か」がいて
笑って逝ける最後ってのが
ごく普通に
いつものように
人知れず繰り替えされているんじゃないかなあとか妄想してみたり…



2023/09/12

根付 其ノ佰捌拾肆

『 雷槌 』
素材:鹿角、黒檀



九月も半ばだというのに暑い日が続きますね
記録的な猛暑日の日数に局地的な豪雨災害と
天気予報見る度に命にかかわる気象警報出まくりで
やってられんと悪態つきたいのは人間だけではないのでは
なんて思ったり…





至水妄想奇譚

「落雷ノ理」

「午後三時の天気予報です」
「函館地方気象台より渡島・檜山地方に雷注意報が発表されました」
「落雷に」
「注意してください」

瞬く間にドロドロと渦を巻く暗雲に覆われる函館上空
雲上ライブステージのセッティングは完了し
センターに設置された三巴紋を刻む巨大なドラムセット目掛け
遥か上空よりゆっくりと神鳴様が降臨すると
予報通り
イカヅチドラムソロライブの幕が上がった

ドム ドム ドム ドム ドム ドム ドム ドム
神鳴様が踏みしめるバスドラに
ドム ドム ドム ドム ドム ドム ドム ドム
いつの間に湧いて出たか
ライブに群がるオーディエンスは数万の雷槌小僧ども
ダム ダム ダム ダム ダム ダム ダム ダム
バスドラの打音に呼応するように一斉に足を踏み鳴らす
ダム ダム ダム ダム ダム ダム ダム ダム

ドムチッ ドムチッ ドム ドム ド ドム チッ
ハイハットが鳴る度に
ドムチッ ドムチッ ドムチ ドムチ チチチッ
真黒な雲のなかで静かに雷光がスパークする
ドムチッ ドムチッ ドムチ チチチチチチッ

ドドタンッ ドドタッ ドッドッドッ ド タッタッ
ドラミングの手数が増えるに連れ
ドドタンッ ドドタッ ドッドッドッ ド タッタッ
グルーヴに陶酔するオーディエンス達は
ドドタンッ ドドタッ ドドドドドドッ タッ タッ
其処此処でモッシュを始め
タムタム タッタム タッタッタッ タタム
雲上は混沌たるトランス状態
タムタム タッタム タッ タタム タタタタッ

チチチチチチチチチチチチチ ッタッタ
雷光の明滅は激しさを増し
チチチチチチチチチチチチチ ッタッタ
夥しいイカヅチで飽和する雷雲に
チチチチチチチチチチチチチ ッタッタ
怒気を孕んだドラミングは加速を続け
ドドダンッ ドドダッ ドッドッドッ ドド タタ
遂ぞ怒り心頭に達した神鳴様が
ドドダンッ ドドダッ ドッドッドッ ドド 
憤怒の形相でシャウトする
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
ドッ カッ
"大雨警報っ?"
ドドタドドタドドタドドタドドタドドタドドタドドタ
"洪水警報っ?"
ドドタドドタドドタドドタドドタドドタドドタドドタ
"大雪警報っ?"
ドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコ
"暴風警報っ?"
ドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコ
"暴風雪警報ぅおっ?"
ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカ
"波浪警報ぅおあっ?"
ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカ
"高潮ぉっ?警っ報ぅ?だあぁっ?"
ドカドカドカドカ ドカカ ドカカカカカカッ
"なぁあぜぇ故ぇにぃいいいっ!!!"
ドカカドカカドカカドカカドカカドカカドカカドカカ
"雷はああああぁっ!!!"
ドカカドカカドカカドカカドカカドカカドカカドカカ
"注意報しかぁあああっ!!!"
ドカカドカカドカカドカカドカカドカカドカカドカカ
"ないんじゃぁあああああっ!!!"
ドカカドカカドカカドカカドカカドカカドカカドカカドカカドカカカッ
"ぬあああああああああああああああっ"

背負いドラムを打ち鳴らし
ジャンプ一閃モッシュの只中にダイブした神鳴様の大足は
クライマックスに狂乱するオーディエンス達を
ゴロゴロとイカヅチで満たされた雷雲のなかへ
踏み潰し 踏み潰し 踏み潰す 阿鼻叫喚の地獄絵図

雷雲のなかで雷に塗れた雷槌小僧どもは
勢い雲底を突き破り
次々と地上目掛け落雷した

ピカドドーンッ
ゴロピカドドーン
ゴロゴロゴロピカシャーンドドーンッ
バリバリバリバリバリドドドーンッ
ゴロピカシャーンッドドドドドーンッ
ゴロピカバリバリバリドーンッ
ドドドドドドドドーンッ
ドドドドーンッ
ドーンッ
………………………………………

いつしか神鳴様の咆哮は止み
数万のオーディエンスは雷雲のなか消炭と化すか
はたまた落雷と成り跡形もなく消え失せた

こうして三時間にわたるイカヅチドラムソロライブの幕は下り
静まり返った雲上に終演のサイレンが鳴り響くなか
間髪入れず次回開催の告知アナウンスが流れる

"本日夕刻より東京都文京区上空雷雲アリーナにて開催が決定いたしました"
"イカヅチドラムソロライブツアー2023『神罰』in TOKYO"
"雷槌小僧の皆様には挙って御参加いただきますよう御願いいたします"

ハードスケジュールのケツカッチン続きに不貞腐れ
思わず舌打ちを漏らした神鳴様は
東京目指しゆっくりと空に舞い上がり虚空に消えた…

「午後六時の天気予報です」
「東京管区気象台より文京区及びその周辺を対象とした」
「雷注意報が発表されました」
「落雷に」
注意
してください」






※作中に記された各名称は実在するものと一切関わりは無く
史実もまた異相な平行世界の物語です





という事でですね
異常気象の原因は人間の営みによって作り出されてしまっている訳ですが
それに振り回され忙しく稼働させられる神様達もきっとピリピリしている筈
なのに注意報止まりの扱いを受け続ける神鳴様の心中たるや…
そんな神様の怒りを一身に受け止め落雷する雷槌小僧を

根付化です





六面図
四面は台座に乗せた状態です





今回自立しない根付にしてしまいましたので
落雷着弾台座を制作
飾っておくのならば此方にパイルダーオンさせる
という仕様です





" ひあぁぁあっあぁぁぁぁぁぁぁっ "
雷雲のなかで帯電しイカヅチと化す雷槌小僧
台座無しでこんな感じ





雷を纏って落雷中
イカヅチパターンを幾つか彫り分けてみました
「バリバリバリバリピシャーンッ」
なイカヅチのイメージ
「ゴロゴロゴロゴロピシャーンッドドーンッ」
なイカヅチイメージ





雷槌小僧の左手小指が一本で独立しているのですが
これを折るためには3㎜くらいの棒状の硬いものを滑り込ませ突く
など意図的にやらんとアクセス出来ない場所にあるので
自分的には良しとしてリリースしましたが
まぁそういう破損リスクはゼロの方が安心出来て良いとは思います
最近は細さとか薄さとか透かすとか…諸々再考する日々です





今回はイカヅチパターンをブリッジにした紐通し





サイズはこんな感じで





今日もバリバリ体張って落雷してます
根付「雷槌」完成です

いやーでもホントなんで雷って
雷警報が無くて雷注意報なんだろうって
理由はググれば出て来るのですが
神鳴様にしてみればナメとんのかと
おそらく「警報」の肩書を奪取するまで
イカヅチドラムソロライブツアーはより過激になっていくのでしょう
ほぼほぼ強制的に動員される雷槌小僧にしてみればねぇ
たまったもんじゃないと思いますけども…



2023/07/18

根付 其ノ佰捌拾参

『 兎男 』
素材:鹿角、黒水牛角、黒檀、珊瑚



これが終わるまで至水の2023年は始められなかった訳で…





至水妄想奇譚

「あけまして夏」

2022年11月末
SNSのタイムラインには様々な兎モチーフの造形物が流れ行き
「来年はウサギ年かぁ…」
と、久々に干支もの根付を彫ろうかと思い立つ至水

思い返せば2015年に初めて「干支もの」として彫ったのが
「自らの羊毛でマフラーを手編みする羊」の根付
作品名は「編めども…」で
そこから申、酉、戌、亥、と毎年彫り続けるも
翌年から今年までの三年分は彫るのを止めている

制作済みの未年から亥年まで
モチーフはシンプルに「干支」なのだが
その年のトピックや自分自身を投影するという裏テーマを孕んだ根付は
なんやかやで至水にとっては重たい連作であった

そんな干支もの根付制作を三年ぶりに再開するのである
身も心も兎とシンクロさせるべく
卯年最強の干支アイテムと謳われる
「ロップイヤーキャップ」
「UT(卯タンクトップ)」
「バニーパンツ」
を入手した

これら三種の神器装着時のブースト効果はすさまじく
卯との精神融合は加速し続け
瞬く間に「兎の根付を彫る根付彫刻家」の根付が彫り上がって行く

飲まず食わずの稼働時間60時間超え
許容シンクロ率が上限2,000%の閾値を突破した瞬間
融合バランスを超過した卯の精神侵食により至水の意識が途絶えた…

パチンッ

聞き覚えのある嫌な音で目を覚ます
意識が途絶えどれだけの時間が過ぎたのか
左掌には「兎の根付を彫る根付彫刻家」の根付が
あとは兎の右目を象嵌すれば完成という状態で握られている
無意識下で進められた根付彫刻
これは自動書記ならぬ自動根付彫刻なのか…

「そうだあの音は…」

恐らくその音で意識を取り戻す直前まで
右目に象嵌する珊瑚のパーツを研磨していたのだろう
あの音は
現代根付作家ならば誰もが苦い記憶と共に耳に染み付いている筈の
「目の象嵌に使うパーツを制作中にリューターで弾き飛ばしてしまう音」
に間違いない

リューターの先端工具による高速回転で弾かれた0.数ミリのパーツを
見つけ出す事なぞ奇跡に等しい
何故なら根付彫刻の作業スペースには
不可視なワームホールが幾つも点在しているのだから

弾き飛ばしてしまった象嵌パーツは
当たり前のようにワームホールに呑み込まれ
今頃は七飯町にある湖「大沼」の畔にある「じゅんさい沼」に着水し
小さな波紋を波立たせているのではなかろうか

諦め半分それでも小一時間床を這いつくばり
懸命に象嵌パーツを探すも見つからず
やはりもう一度作り直した方が早かったなと
リューターの先端に装着されていた研磨用の豆バフを外し
珊瑚の原木とダイヤモンドバーに手を伸ばすと
不意に視界に入ったのは作業机横に設置しているPCモニター
画面右下に小さく表示されている日付を確認し戦慄が走る…

2023/07/12

この半年以上意識無く根付を彫り続けていた訳(筈?)だが
結局今年の干支もの根付も前年中の完成とはならなかったものの
こうして「兎の根付を彫る根付彫刻家」の根付は仕上がり
ようやく至水の2023年あけまして夏

七月盆の暑い暑い函館で
「いやぁ… 明日墓参りだわ」
と、思わず呟く至水であった






※作中に記された各名称は実在するものと一切関わりは無く
史実もまた異相な平行世界の物語です





という訳で今年の干支もの根付も仕上がりまして
皆様あけましておめでとうございます
2023年も宜しくお願い致します
もう7月ですが…

それでは「兎の根付を彫る根付彫刻家」を御覧あれ





六面図





兎の根付を彫る根付彫刻家
自画像みたいなものですから
飛ばした象嵌パーツが見つからずふてくされる俺ですね
(顔は似ていませんよ)





右目の象嵌を済ませれば兎の根付は完成
なのに…





研磨用の豆バフを外したリューターのチャック
(つんこではないぞ)





全てを諦めもう一度象嵌パーツを制作すると決めた根付彫刻家俺
だったのだが…





至水の銘は底面に嵌めて…
えっ!?
飛ばして見つからなかった珊瑚の象嵌パーツ?
こんなとこにあったんじゃん…





兎の左目に象嵌した珊瑚
ピンバイスに嵌めてるドリルが0.5㎜なんでそれ以下の大きさ
ちっさいちっさい
こんなの飛ばしたら見つかる訳ないのよ





2023年の象徴としての顎マスク
コロナ対策用に買っていた不織布マスクのストックが沢山あるので
実際に流用装着して彫刻作業している至水です





三種の神器その一「ロップイヤーキャップ」の表情は「無」
ですが脳に直接作用する卯電波を放出します





三種の神器その二「UT」はユーティリTシャツではなく
卯(ウ)タンクトップを略してのUT
干支ものに対する意気込みが感じられます





三種の神器その三「バニーパンツ」の紐穴開口部はやや小さめ
装着時に使用する根付紐として想定している
2.5㎜のアジアンコードを使うと
溢れた結玉を兎の尾に見立てられるという仕様です





サイズはこんな感じで小ぶり





2023年の干支ものは卯な根付彫刻家俺
根付「兎男」完成です

さてこの「兎男」(ウサオと読む)は
丸っと現在の至水そのもので
2018年に制作した干支もの根付
「戌男」のセルフオマージュだったりもするのですが
今回過去作の干支ものを改めて振り返り
やはり至水の干支もの根付は
全て自身の写し鏡だったのだなぁと再確認したのでした

そして来年は辰年
勿論干支もの龍の根付を彫る事になると思うのですが
きっとまた完成は年越す筈

至水は「年賀状は年明けてから書くスタイル」なので
その影響がデカい気がします…